【ヴィランズの手下】邪悪な蛸さん (ページ21)

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ジャック「うわっ！」

「お兄様！会いたかったわ！！」

ギューッと抱きつき上を向きキラキラとした目でジャックを見る。

ジャック「え?!君誰?!」

「もー！またそれぇ？私その遊びヤダって言ったじゃん！」

両頬を膨らませ怒る少女。

何が何だか分からないジャック･ハート。

どの記憶を遡っても、自分の事をお兄様と呼ぶ少女は思い出せない。

怒る少女と困惑しているジャック･ハート。

と、そこに

マルフィ「何だか賑やかだね。何をしているんだい？」

エイトフット「うるせぇぞお前ら。廊下まで響いてた」

2人の他にも騒がしいというので大広間に人が集まる。

ジャック「この子が僕の事お兄様って！僕妹なんていないよ?!」

「だーかーらー！お兄様のその遊びヤダって言ってるじゃん！」

ジャック「ほらね?!」

何とかしてよー！！と半泣き状態のジャック。

エイトフット「そこまでにしといてやれ、A」

はぁい。と今までジャックにくっついていた少女は離れ、エイトフットの隣に行く。

「よく私だって分かりましたね」

そう話す少女は、先程の「兄が大好きな少女」とは全く違う様子だった。

少女はその場で一回りし、赤髪の紫色のマントを羽織った女性の姿へと変わった。

「この姿では初めまして。私、J･ワシントン･ファウルフェローがマスターヴィランズのフェルと申します」

とマントの裾を持ちお辞儀をした。

「皆さんを驚かしてしまい申し訳ありません。何せヴィランズなりたてなので浮かれていたものですから…」

申し訳ありません。と深く頭を下げる。

顔が下を向いていて表情は見えないが、この時のAの表情はなんともヴィランズらしい妖しい笑みを浮かべていた。