お兄ちゃんと呼ぶ日。 ページ17
_____いってください
まる、っと。
『…うん、これでいっか』
じんぺーちゃん宛の手紙。今回はちょっと泣いちゃって紙がふやけちゃったけど。
今までなんでもないような内容の、短い手紙をいくつか書いてきた。1年に1回、じんぺーちゃんの命日にそれをまとめてお墓に持っていく。
お昼食べてから行こうかな。
やっぱりいつもの、ポアロでしょ。
『ってことで来たよ』
「暇なんですかあなた」
カウンターでコップを拭いている透くんと話しつつハムサンドを頬張る。んふ、おいひぃ。
『透くん料理からっきしだったのにね』
「誰だって得手不得手があるでしょう。練習したんです」
『私知ってるんだからね、ヒロくんに教えて貰ってたの』
そう言えば恥ずかしそうに目を逸らした。
真面目だからなぁ、零くん。
なんてしていたらヒソヒソと話す声が聞こえた。
「私のあむぴになんて馴れ馴れしいのっ…！！」
「透くん呼びなんてっ…あぁ…」
「ちょっとしっかりして！！」
ヒソヒソって言うか普通に声でかいな。そしてまさかの｢あむぴ｣呼び。
当の本人を見ると余計に目を合わせてくれなくなった。
……不可抗力みたいだね。まあ透くん顔がいいしな。ベビーフェイスゴリラってじんぺーちゃん言ってた。
「ちょっと！！人のこと裏でコソコソ言うなんてサイテー！！」
「そ、園子っ…」
「はあ？！あんたにあむぴの何がわかんのよっ」
や、やばい。私のせいで揉めてしまっている…。
カウンター席を立って口喧嘩をしている人らのところに近づいた。
『あの、ごめんなさい。私が不謹慎でした』
「！」
「だけどアンタ言われたい放題じゃない！」
『それはしょうがないですよ。透くん人気なのに独り占めしてたの私の方ですから』
ごめんね、とヒソヒソ話していた女の子に声をかける。
｢も、もういいです！｣と立ち上がってお店を出ていってしまった。
『君らもごめんね。あと、ありがと』
「でもっ」
『いーの。お礼に奢るよ』
制服を着ている女子高生2人を座らせて｢好きなもん頼みな｣と言った。渋々といった感じだけどいくつか頼んでいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 721人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あすか@暇人(プロフ) - 初コメ失礼します。続編突入おめでとうございます！続編のリンクをこちらと繋げていただけると嬉しいです…。 (2022年6月3日 20時) (
レス) id: a2dc34f4dc (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - milkさん» じんぺーちゃん妹バカなんです笑 (2022年5月24日 7時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
milk(プロフ) - ヤバい、最後の松田さんのところ最高に面白い (2022年5月23日 21時) (レス) @page28 id: 7df2c50704 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ(プロフ) - 舞さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2022年5月23日 12時) (レス) id: e8da3e8314 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新頑張ってください^_^ (2022年5月22日 23時) (レス) @page27 id: 17ec247796 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かしわ | 作成日時：2022年5月20日 19時
