【WT】この恋を思い出にしたくなくて【Kr】 (ページ9)

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『ねえこの巻き変じゃない？！』

《安心してかわいいから》

ついに当日。
私は友達とビデオ通話をしながらいつもはストレートに下ろしている髪を緩く巻いていた。

メイクはいつもより甘めにして
服はフリルのついたブラウスに
淡い黄色のキャミワンピ。
寒いといけないからベージュのカーディガンを羽織って。

『じゃあ、行ってきます』

《行ってらっしゃい。感想聞かせてね》

それだけ言って通話を切ると駅へと歩いた。

駅に着く。時間はまだ10時50分で、10分も早くついてしまった。

少し座って待っていようかと思い辺りを見渡すと、見慣れた髪を見つけた。

『きりやん先輩……？』

｢お、早かったね。おはよう｣

こんにちはかな？
そういう先輩はベージュのパーカーに黒のズボン。ウェストポーチを身につけていた。
学生服からは一転して柔らかく、大人っぽく見える先輩にときめいた。

『先輩かっこいい！！！！！』

｢相変わらず声大きいね｣

ありがとう
ちょっと照れくさそうに頬をかく先輩がかわいかった。

｢カーディガン？ベージュなんだ｣
｢おそろいだね｣

『ほんとですね！運命ってことですか！？』

｢はいはい行くよ｣

『ちょっとはノってくれてもいいじゃないですかー！』

私を置いて前を歩く先輩について行こうと小走りになる。
だけど先輩は優しいからだんだんとスピードを落としてくれて、最終的には私の歩幅で歩いてくれた。