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電車を降り、タクシーも使わず無我夢中で走った。
仕事のことなんて考えず、人の視線も気にせず、ただ必死に走った。
肺が苦しくて、喉も締め付けられる感覚がして今すぐにも足を止めたいのに今の私にはそんな余裕なんてなかった。
早くうらたに会いたくて、話したくて...。
うらたのマンションが見え、合鍵を使ってオートロックを外す。エレベーターも使わず階段を駆け上がる。
早くっ、早くっ、はやくッ____
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うらたの部屋までたどり着き、インターフォンを押す。乱れた息を必死に整えているとドアがゆっくりと開いた。
うらた「はぃ.....って、A?」
『うらたぁ!!!』
うらた「うぉっ!?!?」
開いたドアから覗いた顔に思わず抱きついてしまった
勢いが良すぎたのかうらたもバランスを崩し、2人して玄関に倒れる。
うらた「いッ...、おぃA!!」
いつも通りのその声にまた、涙が込み上げてくる。
うらたを押し倒した状態で涙を流し、彼の顔に私の涙が落ちる。そんな私を唖然とうらたは見上げていた。
『わたしッ...、うらたが、君がいるのが当たり前に思ってて!! きみがッ、君がいたから夢を叶えることが出来てッ』
自分でも何言ってるのか分かんないくらいに必死に思いを告げた。叫ぶような私の言葉に嫌な顔をせず、うらたは泣き出しそうな顔で笑った。
うらた「俺もだよ。俺も、お前といたからここまで走ってこれた。ずっと、支えてくれたお前がいたから」
親指で私の涙を拭ってそのまま私の後頭部に手をやり、自分の胸に押し付けて抱きしめる。
うらた「俺、Aが好きだ」
『私もだよ、わたるッ』
そのあとは2人でわんわん泣いて気づけば深夜になっていた。2人とも泣き顔がブサイクでお腹を抱えて笑った。
『ねぇ、うらた』
うらた「ん?」
『次の衣装、どうしよっか?』
うらた「そうだな〜____」
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これは、曖昧な2人の物語
そしてこれから始まるのは___
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“2人の未来の物語”
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ハナボクロ(プロフ) - CIEL☆さん» ありがとうございます!一応完結ですがたま〜に番外編もだそうかとw次もよろしくお願いします! (2020年2月18日 8時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 完結でいいんですかね…?? 一先ずおめでとうございます。 二人の距離感がまた素敵でした!! お疲れ様でした、次作も楽しみにしています。 無理のない程度に頑張って下さいね応援しています!! (2020年2月18日 0時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - ぺるはむさん» 最後までありがとうございます!! もう次の作品書きたいがために必死に終わらせましたwまた次もよかったらよろしくお願いしますね! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺるはむ - 完結した!?いやもう、ようやくくっついてくれたわ……本当に面白かったです!ツンデレキャラが多いうらたさんのめっちゃデレデレが見れて幸せでした! (2020年2月17日 19時) (レス) id: 296fc508a3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - ぺるはむさん» ありがとうございます!私からすると早くくっつけ!!って感じなんですけどねwこの焦れったい感じがいいんです。 (2020年2月12日 21時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナボクロ | 作成日時:2020年1月1日 15時