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「先輩って、彼氏います?」
『は?』
ある休日の昼下がり。
仕事でディスクに向かっていた私に後輩ちゃんは突然そんなことを聞いてきた。
『いや、いないけど...』
「え、田中さんは!?」
田中さん.....って、本社のオーナーのこと?
『いや、ないない』
「えぇ〜?お似合いだと思うのに〜」
頬を膨らませる後輩ちゃん、これが世にいう可愛いというもの。てかやめてくれ、これから本社に行くんだから。
「先輩なんで彼氏作らないんですか?可愛いのに」
『30代に可愛いは禁句だよ、じゃあ本社行ってくるね』
「はーい!」
荷物を肩にかけ、その場を離れる。
若い子のエネルギー吸いすぎたな。
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* * * *
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田中「七瀬さん!お疲れ様です」
『あ、お疲れ様です』
本社に行けば爽やかな笑顔で対応してくれる田中さん
あぁ、さっきの話のせいで少し気まずいじゃないか
そもそも、田中さん私の5歳下よ?
今週の在庫表を貰い、店の端から端まで商品のチェックをしていく。万引きとかあったら大変だからね。
在庫表とペンを片手に一つ一つチェック印をつけていく。すると、肩をポンッと叩かれた。
反射的に振り向けば次に感じる頬を突く感触。
『.....おい』
うらた「ハハッ まじで引っかかった」
案の定そこにいたのはうらた。
私にこんなことするやつ此奴しかいないもん。
『なに? 服買いに来たの?』
うらた「あー、それもあるけど...」
そういううらたは後ろを振り向き手招きをする。
見えていなかったが少し離れたところに高身長の男性が立っていた。
うらた「Aに会わせようと思ってさ」
『.....坂田、さん?』
坂田「___!」
私が彼の名を呼べば、坂田さんはバッと私に詰め寄り力強く私の手を両手で握った。
坂田「あッ、え、と...坂田です!! ずっとAちゃんに会いたかったんです!」
そう言った彼、坂田さんは頬を赤らめきらきらとした目で私を見つめていた。かくいう私は急なことに少しパニック。
うらた「坂田、近いわ。Aびっくりしてる」
坂田「あぁ!? ごめん!」
救世主うらたのお陰で握られていた手は解放され、
私から距離を取った。
しゅん、とした坂田さんにため息をつくうらた。
なんか、いろいろ突然すぎてついてけねー...
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ハナボクロ(プロフ) - CIEL☆さん» ありがとうございます!一応完結ですがたま〜に番外編もだそうかとw次もよろしくお願いします! (2020年2月18日 8時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
CIEL☆(プロフ) - 完結でいいんですかね…?? 一先ずおめでとうございます。 二人の距離感がまた素敵でした!! お疲れ様でした、次作も楽しみにしています。 無理のない程度に頑張って下さいね応援しています!! (2020年2月18日 0時) (レス) id: 5d5b1bd419 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - ぺるはむさん» 最後までありがとうございます!! もう次の作品書きたいがために必死に終わらせましたwまた次もよかったらよろしくお願いしますね! (2020年2月17日 21時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
ぺるはむ - 完結した!?いやもう、ようやくくっついてくれたわ……本当に面白かったです!ツンデレキャラが多いうらたさんのめっちゃデレデレが見れて幸せでした! (2020年2月17日 19時) (レス) id: 296fc508a3 (このIDを非表示/違反報告)
ハナボクロ(プロフ) - ぺるはむさん» ありがとうございます!私からすると早くくっつけ!!って感じなんですけどねwこの焦れったい感じがいいんです。 (2020年2月12日 21時) (レス) id: 0d95077ef8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハナボクロ | 作成日時:2020年1月1日 15時