Bad 39. ページ43
「Aさん…それ結構前のものじゃあ…」
「ん？
…あぁ、そうだよ
私が壁外追放になる前に使ってたものだから…
6年以上前のものになるね」
「そんな昔のもので俺は…」
明らかにガックリと肩を落とすエレンを
微笑ましく思いながら
エレンに奢ってもらった紅茶を飲む。
案の定勝負に負けたエレンは
私を人目に付かないように配慮してくれたのか、
食堂から紅茶を持ってきてくれ、
今は使われていない部屋で飲んでいた。
だが、エレンはどうもそわそわしている。
_______何か吹き込まれたな…
そう思うのは至極当たり前だと思う。
エレンに変に気を遣わせるのも億劫だったため、
「何か吹き込まれただろう？」
発した後に唐突だったか…？と気にかけるも
エレンが待ってましたという表情をしたので
エレンの回答を待った。
「…Aさんは…」
「…私がなんだ？」
「ええっと…凄く失礼だと思うんですけど…」
「構わない、なんだ」
「ほ、本当に、本当に失礼何ですけど…」
「だからなんだ！」
エレンの歯切れの悪さについ叫ぶと
「っ…極悪人ですか！？」
「…はい？」
「あ、朝、団長がモブリットさんを殺しかけた
極悪人だから注意するようにと…」
『極悪人』
そんなワードについアッハッハと笑ってしまった。
予想外の反応だったのだろう、
おろおろしているエレンに一言。
「じゃあ君はそんな極悪人と一緒に紅茶など
飲んでいて大丈夫なのかい？」
「…！！
Aさんは極悪人なんかじゃない！」
机を叩き立ち上がってそう言い放ったエレンは
大声を出してすみません…と静かに腰を下ろした。
「…エレンは…団長様の話を信じるかい？
確かに私は6年も壁外追放になり
その挙句、帰ってきた瞬間にそいつの首に
刃を当てた。
極悪人だと思われても仕方ない」
「でも、わざとじゃないんでしょう？」
エレン…君は昔からそうだったね…
一度信じたものは疑わない、その素直さが
大好きなんだ…
「…そうだね。
まぁ、不幸なのはそいつが
ハンジの部下だったことだね」
私がわざとではないと確信したのか
エレンは大きな瞳を輝かせて笑った。
「俺、Aさんのこと信じてますから！
昔から、ずっと！」
私は嫌な予感がした。
それは、
私はこの笑顔を
いつか
裏切ることになるということ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 44人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カルク(プロフ) - 菜央さん» ありがとうございます！頑張りますね( *｀ω´) (2015年1月7日 15時) (
レス) id: 4fb59d232f (このIDを非表示/違反報告)
菜央 - カルクさん» 頑張ってください！応援してます！ (2015年1月7日 2時) (レス) id: ce2a0228df (このIDを非表示/違反報告)
カルク(プロフ) - 菜央さん» コメントありがとうございます！ 頑張って期待にお応えできるように更新します！ (2015年1月6日 22時) (レス) id: 4fb59d232f (このIDを非表示/違反報告)
菜央 - 気になる・・・ (2015年1月6日 4時) (レス) id: ce2a0228df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カルク | 作成日時：2014年12月4日 20時
