どうせ指摘しても、君だけだよっていうんでしょ？ ページ20
助けて貰ったお礼にお弁当って…少女漫画かよ。
育ち盛りの男の子が好きそうな茶色と、気持ちばかりに彩る野菜を詰めながらため息を吐き出す。
私のいつものお弁当箱と父が地下に籠るときに母によく持たされていたお弁当箱。
その二つを鞄に重ね入れて、家を出た。
うッ、重…。
もともと彼が学校にお弁当を持ってきていないことは知っていた。
きちんと食べているのかいないのかなんて私が気にすることでもないし、特に注意して見ていたわけではないけれど、少なくとも中学生男子らしい食事をとっているのは見たことがない気がする。
戸惑いつつも、脱力したように笑って、ではお願いします、なんて丁寧に言ってくれた彼に手抜きなんて出来るわけもなかった。
過剰な期待が読み取れる六道君のわざとらしい笑みを見て、手に持っているお弁当を差し出すのを躊躇する。
他の女の子にみられて意ではない勘違いが生まれるのはよろしくないと、六道君の机にでも置いておこうかと思っていた。
それなのに昼休みになってすぐにお弁当の入った鞄を当然のように持って、私の手を引いて六道君が向かった先は誰もいない空き教室。
そして私に鞄を返したあげく、ください、とでもいうように差し出された両手。
そのまま取ればよかったのでは…？
彼の不思議な行動に怪訝な顔を向ける。
「異性の手ずから渡されてこそ、でしょう？」
「普通の男の子みたいなこと言うね、君が頼めばお弁当を作ってきてくれる女の子なんていっぱいいるよ」
呆れたように言って差し出したお弁当を、六道君がそっと手に取る。
「他人から貰ったものは食べないで主義ですので、それと僕も普通の男の子ですよ」
クフフとからかうように笑う彼と彼の手にあるお弁当を交互に見て、そう、と目をそらした。
「…普通の男の子はそんなこと言わないよ」
苦々しく小さく呟く私に、いい笑顔でお礼を言う六道君。
どうせ指摘しても、君だけだよっていうんでしょ？
謎は深まるばかりだね。→←善人と呼ばれることを嫌う君に痛い勘違いなどしてやらないよ。
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サラダ(プロフ) - シオンさん» こちらこそ自分勝手に更新止まってしまって申し訳ないです。ただいま書いては書き直してを繰り返してますのでお見せできる文章になりましたらどうかお楽しみください！コメントありがとうございました！ (2019年9月22日 16時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 続きが気になります！自分勝手かもしれませんが、どうか更新よろしくお願いします。 (2019年9月17日 1時) (レス) id: 8d841be347 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！ページもいっぱいになったので次は3章に入っていきます！もう少々お待ち下さい！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - とても面白くて一度に読んでしまいました。 続きが気になる…！(>ω<*) (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - きさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！分岐…考えたこともありませんでしたがそういうのもありですね！落ちは私のなかでは既にきまっていたようなものだったので、私が出来る限りで挑戦させていただきたいと思います！ (2019年6月29日 13時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年3月13日 19時
