私はあんな人をbabyだとは認めないけどね。 ページ14
『三時間後のイタリア行きの便に乗れ、席は取ってある』
それだけ簡素に言い、私が口を開く前にブチりと切られた携帯を寝起きのまま見つめる。
ただいま深夜の三時ですよ。
体は小さくとも頭でっかちなあの人なら時差が考え付かないわけないだろうに…いや、わざとか。
「あのッCheeky babyッ！」
低血圧の寝起きの悪さでいつもなら口に出さない汚い言葉を無遠慮に吐き出して、乱暴に布団をめくりあげた。
呼び出しである。
いつでも出れるようにと詰めてあったキャリーケースを急いで引っ張って、着いた空港。
どうやら面倒な手続きはあちらで済ませていてくれたらしく、搭乗口から早々と席に座り込む。
ビジネスクラスのその席は中学生で生意気だと言われるかもしれないが、約十二時間以上のフライトはどれだけ若くてもさすがに体がきつい。
父や母なら迷わずファーストクラスをとるけれど、まぁあの人がとったのならエコノミーじゃないだけましなのか。
空港に着いたときに送られてきたあの人からのメールを見て、頬を緩める。
どうせヴェネツィアだろうと思っていたがその通りだった。
昔から家の外観などに異様にこだわったり、目に映るものを美しくかっこよくしようとする父は、プレゼントのセンスとは違い芸術的センスには秀でていた。
まぁ、私が理解できないセンスではあるけれど、そんな父はヴェネツィアがとても好きだ。
イタリアのどの都市にも愛着を持っているみたいだが、特にヴェネツィアはラボを作ってしまうほど。
どうせ、研究中私に会いたいとうるさい両親に会わせてやろうという気遣いも多少はあるんだろう。
私に普通に日本で学生をさせてくれているのは両親だが、研究に中途半端に参加することを許してくれている彼も案外私に甘い。
不意に彼に会って間もないころの事件を思い出して、米神を揉む。
頭が痛くなるほどのトラウマを私に植え付けたことに、あの人らしからぬ罪悪感があるのかもしれないが。
とりあえず今回のような急な呼び出しや私の能力以上の無茶振りは遠慮したいところだ。
私はあんな人をbabyだとは認めないけどね。
尊敬しているかと聞かれれば…ね？→←異国の王子様はスマート過ぎる。
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サラダ(プロフ) - シオンさん» こちらこそ自分勝手に更新止まってしまって申し訳ないです。ただいま書いては書き直してを繰り返してますのでお見せできる文章になりましたらどうかお楽しみください！コメントありがとうございました！ (2019年9月22日 16時) (
レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 続きが気になります！自分勝手かもしれませんが、どうか更新よろしくお願いします。 (2019年9月17日 1時) (レス) id: 8d841be347 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます！ページもいっぱいになったので次は3章に入っていきます！もう少々お待ち下さい！ (2019年8月6日 15時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
白露(プロフ) - とても面白くて一度に読んでしまいました。 続きが気になる…！(>ω<*) (2019年8月3日 18時) (レス) id: 5376065075 (このIDを非表示/違反報告)
サラダ(プロフ) - きさん» 返信遅くなってしまい申し訳ありません！分岐…考えたこともありませんでしたがそういうのもありですね！落ちは私のなかでは既にきまっていたようなものだったので、私が出来る限りで挑戦させていただきたいと思います！ (2019年6月29日 13時) (レス) id: c38cbec620 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラダ | 作成日時：2019年3月13日 19時
