念願の ページ25
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そこから艶やかな着物を着た女性と、スーツをしっかりと着込んだ…
『光原先輩っ…!』
ついつい口からこぼれる。幸いにも、小声だったため周りにはバレていない様子。
「光原議員!」「待ってました!」「先日はお世話に…」
光原先輩を見つめていると、いつの間にか人に囲まれていた。まるでパーティーの主役だ。この地域に根ざした議員というのは本当らしい。
大門「光原議員に紘基さんまで!どうもどうもぉ」
一応、この会の真の主役である大門さんが大声で群衆をかき分けて入っていく。
私はというと、なんとかその中から光原先輩を見つけ、いつもは見られない姿を目に焼き付けている。すると、先輩が光原議員になにか耳打ちをして輪から抜け出した。
『(あ…)』
そして目が合った。光原先輩は、動きが一瞬止まり目をこすってまたこちらを見る。私の姿を再認識したであろう直後に、頭を抱えている。
『ふふ』
佐津「どうしたの?」
思わず笑ってしまい、顔を覗き込まれる。なんでもない、と答えると佐津さんは裏へと帰っていった。光原先輩へと目線を戻すと、ズンズンという音が鳴りそうな勢いで向かってきている。
『えぇ!?』
紘基「なん!…っで春野がいるの…!?」
大きくなりかけた声をなんとか抑えるように光原先輩は私に話しかける。顔は随分しかめ面だ。
『あ、アルバイトです。夏休みから働いてて』
紘基「バイト…。ここだったのか…」
『はい。でもまさか光原先輩とお会いできるなんて…』
紘基「さっきの男は?」
さっきの男?きょとんとしていると、
紘基「さっきまで隣にいた!顔近かったやつ!」
『あぁ、佐津さんですか?このバーの店長ですよ!』
紘基「店長…」
いきなりどうしたんだろうか。肩をつかまれそうな勢いが、佐津さんのことを説明すると、一気になくなった。
『光原先輩、大丈夫ですか?』
紘基「コホンッ。シャンパングラスを2つ」
『ふふ…かしこまりました』
スーツの襟をわざとらしく整え咳ばらいをした姿についつい笑ってしまった。まぁよく理由はわからないが、普段の雰囲気に戻ったし、変に突っ込まないでおこう。
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みびみやこ(プロフ) - おバカな莉久(サブ)さん» はじめまして。凄く好きだと言って頂けてとても嬉しいです!必ず完結までいきつきますので、お待ち頂けますと嬉しいです。これからも当作品をよろしくお願いいたします。 (2022年2月10日 19時) (レス) id: e70206d298 (このIDを非表示/違反報告)
おバカな莉久(サブ) - はじめまして!このお話凄く好きです!更新再開(?)おめでとうございます!無理だけはしないでください!これからも更新ゆっくり待ってま〜す! (2022年2月9日 22時) (レス) @page38 id: ddd40ab2e7 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - みびみやこさん» わああっおかえりなさい、待ってましたー!ゆっくりで全然大丈夫なので、無理せず頑張ってください…! (2022年2月8日 1時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 返信が遅くなり申し訳ございません。この度、更新を再開しました。待っているという言葉、すごく励みになります!更新頻度についてはゆっくりではありますが、完遂しますので最後まで見守ってくださると嬉しいです! (2022年2月6日 21時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - 更新停止…寂しい…でも私はいつでも待ってます!って言ったらプレッシャーになっちゃうかな…もし戻ってきたら私も戻ってきます、この作品を忘れません!ってことです。リアルでの生活も、無理しないように頑張ってください…! (2021年12月27日 22時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みびみやこ | 作成日時:2021年9月28日 14時