初仕事を終えて ページ26
.
『本日は解散です！お疲れ様でした！』
涙をぐっとこらえ、皆を見送る。光原先輩も私の隣に立ったまま一緒に見送ってくれて、特別近い距離でもないのになんだか暖かい。
律「春野さん、大丈夫？」
『紀元くん！うん、大丈夫だよ。…さっきはかばってくれてありがとう』
律「ううん。質問に丁寧に答えてたのも、わかりやすく案内してくれたのも本当のことだから」
『ありがとう…』
律「じゃあまた後で！」
そして…ホールには光原先輩と私だけになった。先輩に向き直り、再び頭を下げる。
『光原先輩、すみませんでした！』
紘基「え？」
『昨日、完璧な仕事をして見せるなんて大口叩いたのに、結局は先輩や友達にかばって貰って…。私の勉強不足のせいで、さっきの皆さんにも不快な思いをさせてしまいました。
せっかく任せてもらったのに…すみません』
いいところなんて見せれなかった。当然だ。そんなものなかったんだから。
紘基「…最初から完璧な仕事ができる奴なんて居ないよ。それに春野さんがきちんと勉強してきたのは見てて十分わかったし。
正直、俺も勉強になったよ。春野さんが新入生の目線に近いからこそできるアドバイスとか」
『！』
光原先輩、本当に私の話、聞いてくれてたんだな…。
紘基「あと…あの男子学生のこと気づいてたよね？彼らは学生執行部の面接を受けに来た奴らだ。春野さんへの当てつけであんなことしてたんだと思う。どうして俺のこと止めたの？」
『…あれ以上あの人たちを悪者にしたくなくて。私もあっち側だったら同じようにしてしまうかも、って思うんです。悔しくて、羨ましくて…。
あそこで言ってしまったらもっと惨めになるし、周りの人も一層あの人たちを邪険にするかなって…。それは嫌だったんです。同じように学生執行部を目指してた同志として』
紘基「…そう」
『あっ、あと1つ私、謝らなきゃいけないことが…。この前の部活のこと。変な質問して本当にすみませんでした！』
紘基「いいよ。ていうかもう謝ってもらったのに笑」
『そうですけど…改めて…』
紘基「プライベートなことは…話したくないんじゃなくて、話せないんだよ」
『…へ？』
話せない…？
紘基「ほら、俺さ…」
キーンコーンカーンコーン
紘基「あっ俺、授業だった。ごめん！また部活で！」
『あっ、はい！…行っちゃった』
話せない事情って…何？
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みびみやこ(プロフ) - チックタックさん» コメントありがとうございます！書きたいことが多すぎて中々発展しなくて申し訳ないのですが、そう言ってくださると嬉しいです！こだわっていきたいと思います！今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月23日 18時) (
レス) @page42 id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
チックタック - 話の内容がすごく作りこまれている！ (2021年9月23日 14時) (レス) @page43 id: b901e895c9 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - みらいさん» 面白い！？！？ありがとうございます！少しずつではありますが進めていきます！今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月17日 20時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
みらい - すごくおもしろいです！無理のない範囲で更新頑張ってください (2021年9月17日 20時) (レス) id: 942628a425 (このIDを非表示/違反報告)
みびみやこ(プロフ) - にら。さん» 返信遅くなり申し訳ございません。好きというコメントありがとうございます！これから定期的に更新していければと思いますので、読んで下さると嬉しいです！今後も当作品をよろしくお願いします。 (2021年9月14日 18時) (レス) id: 9a02bb3167 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みびみやこ | 作成日時：2020年9月18日 23時
