まずは映画を見に行きませんか？【名前変換オリジナル】

初仕事2 ページ23

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『では、みなさーん！まずは〇号館について軽く説明しますので！聞いててくださーい！！あのー！私の声、後ろまで聞こえてますかー？』



お母さん…。私は今、約50人ほど引き連れて構内を歩いています。はぐれた人は居ないかとか、丁寧な説明をしなきゃとか、気を張り巡らせているから序盤にしてちょっと疲れてます…。

唯一の救いは、廊下の遠くの方に光原先輩が見えることと、



律「あっ、一番後ろの人、手ぇ挙げてるよ。聞こえてるみたい」



紀元くんがこっちのグループに居ることです。



『えーと、〇号館は教室があまりない代わりに、他の館に繋がる渡り廊下がたくさんありまして…』



でも、沢山勉強したことをここで発揮します！



『…以上が〇号館の軽い説明です！では直接歩いて説明します！質問は後程まとめて回答しますね！』



それからの構内案内はすごくスムーズで、昨日…いや、今日の朝まで勉強した成果は十二分に発揮されていた。

ときどき、光原先輩が伺うような目線で私を見ていたけど、強く頷けば安心したような表情でまた説明をしてた。

…仕事中なのに、そんな光原先輩の表情にキュンとしたのは私だけの秘密。



『…このホールの説明は以上です！これで、〇号館と△号館の説明はこれで以上になります！どなたか質問は…』



特に問題もなく順調に構内案内は終了した。まだ授業自体は終わってないのに、達成感やら安心感やらで自然と笑みがこぼれる。

ふと、みんなから目線を外すとホールの扉に、光原先輩が肩を預け、腕を組みながらこちらを見ていた。



『！！…えー、質問はありますか？なければここで解散になります』



やっばー…思わず声が出そうになった…。光原先輩のグループ、もう解散したんだ。

…！これってチャンスでは？質問にスマートに答えてるのを見たら、ちゃんと勉強してきたんだ、優秀だ。って思ってもらえるんじゃない！？



「はーい。質問いいですかー？」

『もちろんです！どうぞ！』



質問きた！！このホールは△号館の目玉！ノートにも情報盛りだくさんだったし、答えれるはず！

…あれ？あの挙手してる男子、どこかで見覚えが…。



「このホールって、いつ誰が作ったんですかー？」

『…え？』

「だから、いつ！誰が！作ったんですかぁー？答えれないんですかぁー？」



いつ、誰が…。その情報はノートに書いてなかった…。どうしよう、わかんない。


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