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「あ、あの。。」


「今日の閉館は5時だよ。今は誰もいないから少しくらい喋っても大丈夫。」



なんとなく。一目見てすぐに分かった。彼女がAさんだ。


学年カラーの赤い上履きを履いている。彼女に間違いない。




そして。






どことなく俺の好きな小説家に雰囲気がにているようなきがした。





「あ、あの。。



Aさんですよね。。???」




「そうですけど。。何。。???」



当たり前だ。見ず知らずのたかが同じ学年の同級生に話しかけられて警戒しないわけが無い。

ただでさえ学校に来る回数の少ないどうしても声をかけてみたかった。


学年1位の秀才に。


貸し出しカウンターの中にいる彼女は真っ直ぐな黒髪にどこか寂しそうな目をして俺を見ていた。



不意に彼女が読んでいた小説に目をやる。

「その作家さん好きなんですか。。?、」


彼女は驚いたように目を見開く。


「知ってるの!???

かなりマイナーな作家だと思ってたんだけど。。笑」



笑った。初めて見た。あまりにも優しくて屈託のない笑顔に俺は戸惑った。



「その作家の本は全作読んでるくらいには好きだよ。」


たわいもない相槌を打つ。どうか彼女に嫌われないように。



「あ、そういえばさ。君。
名前。なんていうの??」



「お、俺は彼方。
6組の。」


「おっけー。彼方君ね。よろしく。

私のこと知ってるみたいだけど一応自己紹介させて。

三組のA。よろしくね。」




この出会いから彼女の儚い人生の1ページに俺が刻まれることになった。

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作者名:無名 | 作成日時:2020年1月28日 0時

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