33、後輩の頼み ページ35
Aside
『私に勉強を教えて欲しい?』
とある日の昼休み、赤也に一緒に昼ご飯を食べようと誘われて屋上に来てみれば、いきなり頼みがあると言ってきた。
その内容は今月末にある中間考査、いわゆる中間テストの勉強を教えて欲しいとの事だった。
切「はい!赤点取ったら部活動停止って先生に言われたんスよ!お願いしますっ!!」
『え、やだ。』
切「即答っスか!?なんで!?」
『めんどくさいから。』
テスト対策期間で時間があるなら私はに運動に時間を費やすとすでに決めている。
加えて赤也の勉強を見るなんて無理だろう。
ってか勉強教えんの面倒い。
『っていうか柳とか柳生に頼めばいいじゃん。』
絶対頭良いでしょ。
切「だってA先輩の方が頭良いって聞いたんスよ。」
まぁたしかに間違ってはいないけど…
『それ、誰情報?』
切「柳先輩っス!」
やっぱりか…
私は黙々と弁当を食べている柳を睨んだ。
んー…
テストの点数でも教えとけば引いてくれるだろう。
『…赤也、私のテストの点数、知ってる?』
切「え?全教科100点じゃないんスか?」
『違うよ。全教科70点。』
「「「「「「「え!?」」」」」」」
うるさ。
いきなり大声出さないでよ。
柳生「柳くん。それは本当ですか?」
柳「あぁ、本当だ。」
いやいや、あんたなんでテストの点数知ってんのさ。
『まぁそういう事だから、柳とか柳生とかに頼んだ方が(柳「良い訳ではないぞ。」』
おい。
今いい感じに終わらせようとしてただろうが。
柳「まずテストが全教科70点というのはおかしいだろう。
全教科70点をとるなんて余程のことが無い限り有り得ない。」
切「たしかにそうっスね…」
柳「まぁ大方『70点くらいとっておけば目立たないだろう』などと思って全力を出してなかったのだろうが。」
げっ、なんで分かったのさ。
切「えー、それホントなんスか?先輩!」
『ほんとだけど…』
切「じゃあ教えて下さいっス!」
うっ…
その顔で言われたら…
『…良いよ。』
こう言うしかないじゃん!
切「ホントっスか!?やったー!!」
なんか柳に騙された気もするけど…
赤也が嬉しそうだからいっか。
あ、でもみんなにも絶対手伝わせよ。
だって赤也、大分勉強出来なさそうだもん。
失礼だけど。
私は弁当を食べながら赤也にテストをどう乗り切らせるかを考えた。
丸「Aって赤也に甘いよな。」
『丸井うるさい。』
丸「はい…」
214人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:澪音 | 作成日時:2021年2月21日 18時