平凡を望む天才少女【テニプリ】 (ページ16)

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14、テニスを楽しむ事ページ16

幸村side

日曜日に柊さんに呼び出されたと思ったら突然テニスをしようと言われた。

マネージャーをやって欲しいならまずテニスで自分を倒せとも。

いくら天才と呼ばれていても柊さんは3年前に1度テニスを辞めている。

そんな人に現役選手の俺たちが負けるなど有り得ないのではないだろうか。

舐めているのかな？

でも柊さんはテニスがやりたいだけと言っていたし、本当に相手が欲しかっただけかもしれない。

ならここは部長である俺が相手をしてあげよう。

誘ったのは俺たちだからテニスの相手ぐらいはしてあげないとね。

幸「俺が相手するよ。」

『幸村か。…うん。分かった。』

了承してくれたようだ。

俺はラケットを持ってコートに入った。

サーブは俺から。

サーブを打とうとすると柊さんは話かけてきた。

『幸村、本気出してよ。』

幸「！…分かったよ。俺が勝ったら柊さん
はマネージャーの件、考えてね。」

『幸村が勝ったら、ね。』

…自分が勝てると思っているのだろうか。

まぁいい。

王者立海の実力を見せてやろう。

俺は全力でサーブを打った。

決まったと思った。

でもボールは俺のコートに落ちていた。

『ほら、やっぱり楽しんでない。』

…何故だ。

何故返せる。

天才とはいえ3年のブランクがあるはずだし、相手は男子。

しかも王者立海の部長である俺だ。

何故…

『幸村早くしてよ。』

俺はその言葉でハッとした。

…よし。

次からは油断せずに。

俺はまたサーブを打った。

ラリーは続き、そろそろ柊さんはイップスにおちいるぐらいだろうと思った。

でも柊さんはいくらラリーを続けようとイップスにはおちいらなかった。

俺は不思議でたまらなかった。

『幸村さー、私がイップスに陥らないのが
そんなに不思議？』

幸「！なんで…」

『だってそんな感じするし。私がイップ
スに陥らない理由教えてあげよっ
か？それはね…

〝テニスを純粋に楽しんでるから〟
だよ。』

俺は驚いて柊さんを見た。

それまで俺は気づかなかったんだ。

柊さんがその綺麗な顔に満面の笑みを浮かべていることに…