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朝から降り続く雨は時間を追う毎に強さを増していた
「この度はご迷惑をお掛けして誠に申し訳ございません」
「今後はこのようなことが起こらない様努めてまいりますので」
雨が撥ねたつま先を見るのは何回目だろう
今日は午前中外回りの予定だった
先数もそれほど多くないしと高めのヒールで出勤して
予定通りに午前中のアポを全て終えて会社へ戻ろうとした時だった
“悪い、ちょっとトラブル。お前外いるよな？行ける？”
NOとは言えない上司からの頼み
それに私もその件は多少齧っていたし相手先とも顔見知り
終われば直帰で良いから、なんて電話の向こうで焦る上司は
どうやら別件のトラブル処理で忙しそう
止むなく応諾したが、直帰に靡いたなんてことは
断じてないと言いい切りたいところだ
「ありがとうございます。では今後とも宜しくお願い致します」
頭を下げたまま十数秒
エレベーターのドアが閉まった音を確認すると
鼻いっぱい息を吸い込み大きなため息を吐き出した
直接的な自分のミスではなかったものの
かなり身も心も擦り減った気がする
最後の方はなんだかもう自分のことかと思い込む程だった
上司へ報告の電話を入れると電話の向こうも擦り減らしたような声色だった
予定通り直帰の許可が降りたので帰路に着く
不幸中の幸いだったのは今居る場所が最寄り駅に近いこと
タクシーを使おう、脚がもう限界
20分もしないうちにマンション前に停車
ちょっと贅沢しすぎたかな、とは思ったものの
ヒールと雨とが相まって降りようと力を入れた脚は棒の様
なんとか降りて動き出したタクシーを背にエントランスに向かうと
植え込みの影にビニール傘が見え隠れしていて
誰か待ってるのかな、雨なのにご苦労さまですね
なんてことを考えながら自動ドアの前に立った時だった
『、、Aさん、？』
随分と聞き慣れた声が私を引き止めた
「松村さん、！」
振り返って唖然とした
傘を差してるのに、いかにも雨に濡れている
『いつ帰ってくるとか、わからなかったんで』
流石に傘は買ったんです、途中で
なんて言って浮かべた血色の悪い笑顔
それを見てしまったら、居ても立っても居られなくて
「ちょっと、着いてきてください」
『えっ、おわっ…」
気付けば松村さんの服の袖を引っ張ってエントランスを潜っていた
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つかさ(プロフ) - りんさん» お返事遅くなりすみません。いつもお読み頂きありがとうございます！ (2023年1月12日 2時) (
レス) id: 0c34a2e1f9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 久々更新嬉しいです！！また続き待ってます🥹 (2023年1月3日 23時) (レス) id: 480bf35fa8 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - nanamisato73さん» お読みいただきありがとうございます^^偶然の出会い、嬉しいです。私も割とこんな性格なので同じと思ってくれる方がいると嬉しくなります。更新遅めですが気長に待っていただけると幸いです！ (2022年5月21日 20時) (レス) id: 06d07b2f00 (このIDを非表示/違反報告)
nanamisato73(プロフ) - 初めまして、主さんが書く主人公の人間性？思考が、自分そのままで一瞬で読み終わってしまいました。夢の中であっても理解されている気がして嬉しかったです。美味しそうなタイトルなので開いてみてまさに偶然の出会いすぎました。この後の展開が楽しみです！ (2022年5月21日 10時) (レス) @page25 id: 29f3f3b2e7 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - りんさん» お読みいただきありがとうございます＾＾え〜うれしいです…更新遅いですが待っててくださると幸いです。 (2022年3月13日 23時) (レス) id: 06d07b2f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つかさ | 作成日時：2022年2月23日 16時
