4話 卒園 ページ5
5歳児といえば幼稚園を卒園する頃。人と接することが嫌いになった私は当然友達も出来ず日々を過ごしている。別に、友達を作ろうとも思わなかったからいいんだけど
彼なら友達を作っていただろう。私とは違って昔は可愛らしいと妹から聞いていた。チワワが吠えたら泣く泣き虫だが、そこがいいんだと
私とは本当に正反対だ。
｢Aちゃん、小学校に行っても先生の事忘れないでね？｣
｢...｣
目に涙を溜める先生が泣きながら私の目の前にしゃがんだ。彼女は独りぼっちの私に異常なほどの執着心を剥き出しにしていた人だ
理由は分からない。でも、この人は私を決して敵にはしなかった。常に味方でいてくれた人だけど、私は嫌いだった
彼女が私を見る目が、気持ち悪かったから
差し伸べられた手をゆっくりと握ると、私は彼女にしか聞こえない程度の声で言いたかったことを言った
その言葉で、ポロポロと涙を泣かす先生に私は振り向くこと無く校門へと走った
情なんて要らない。人を信じちゃいけない。愛なんて必要ない
私は愛されてはいけない。彼が受けるはずだった愛情を、私が受けてはダメなのだ
校門をすぐ出た近くに、私の名前を呼ぶあの人達の姿が目に見えた。
私を優しく抱き上げてくれる彼と彼女に胸が締め付けられるほど苦しく吐き気がした
こうやって、幸せな家庭をなんで私は身に染みているのだろう
｢先生に挨拶してきたか？｣
｢...｣
ゆっくりと頷くと彼は笑ってそうかそうかと言って頭を撫でてくれた。ゴツゴツして大きな手は如何にも危険な戦場で生き抜いてきた強い証の手は、私に触れると汚れてしまう
だから、彼が撫でようとすると私は彼から離れるのだ
それを繰り返す事に、彼は寂しそうに悲しそうな表情で笑ってくる。
どうして彼らはこうも私に優しいんだ。貴方が私を産んだとしても、この命は彼にあるものだったものなんだ
嫌ってほしいのに、なんでアンタ達は
｢よしっ、そんじゃAが立派に幼稚園を卒園したお祝いに飯でも食いに行くか！｣
｢いいですね！Aちゃん、何処にいきたい？｣
そうやって、優しく接し続けてくれるの
私は
─偽物なのに─
先生も、貴方達も
冷たく接してるのに、無視してるのに
どうして関わってくるのだろう
それが私には分からない
でも、
｢どこでも、いい｣
やっぱり私は
貴方達が思うような、子供に離れないんだ
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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