15話 コントロール ページ16
昨日の事はあまり憶えてはいない。目が覚めたら母親、沢田奈々が側で私の手を握りながら寝ていた
起こそうとしたけれど、気持ちよく寝ていたものだから起こす気にはなれなかった。それに、一晩中私のそばに居てくれたのだろう
｢...もう、昼か｣
窓の外を見れば空が明るい。時計の長い針と短い針は同じ場所を指していた
彼女を起こさないように、ベッドから降りて毛布を掛けてやる。すぅすぅと寝息がよく聞こえる。きっと当分は起きないだろう
ふらつく体をゆっくり動かしながら、階段を降りようと足をつくと、グラッと視界が歪んだ。
｢っ...｣
こんなにも体が言うことをきかない事は今まで無かった。でも、今はどうだ。身体中の機能が停止しているかのように、空中ではどうにも出来ない
落ちるのは早いのに、私の目には床までの距離がとても長いような気がするのだ。それも、以前に味わったあの感覚の様に
ゆっくりと目を瞑る。身を任せ、これから体に来る痛みに怯えながら待つのだ
私の小さな体ならば、ここから落ちればきっと...逝けるかもしれない
.
.
『─ ダメだよ ─』
｢ｰｰｰｰｰｰｰ｣
ドサッと音をたてて何かに包み込まれる感触。聞きなれない男の声が私の目を覚まさせた
...痛みがこない。包み込まれる感触の正体は大きな腕。瞼が開いて見えた視界に、一番会いたくなかった"彼"が映った
｢＿＿...大丈夫かい？｣
漫画で見た彼より少し若い。顔の皺はよく見ないと見えないぐらいで、私と彼の顔の距離感は近い。私をキャッチした事によって距離が一気に縮まったのだ
ボーッと彼の顔を透き通して私が落ちた階段の天井を見上げた。落ちる時、全てを委ねた時、心地好い柔らかな声の主が誰だったのか＿
｢Aちゃん、Aちゃん｣
｢...っえ...？｣
｢大丈夫かい。何処か痛い所はあるかな？｣
再び意識を戻すと、彼が私の顔を覗き込んでいた。まだ抱きしめた状態でそれを把握すると咄嗟に彼から離れる。
今気づいたが、今まで彼に抱きとめられている状況を感知していなかった。やはり、まだ体が完全ではない。コントロールするのに時間がかかりそうだ
気を取り直して、一息つく。咄嗟に離れた行為で彼は目を見開くも直ぐに微笑み返した
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蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
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