13話 無力な自分 ページ14
夢を見た。
遠い、昔の夢
私が、彼に成り代わる前。前世で死ぬ前、そう...まだ私の家族が"生きていた"日のことを
あの頃は幸せだった。大好きな妹と、両親の四人で暮らしている時が
私が望んだあの一時の事を、夢で見た
昔から私によく懐いていた妹が可愛くて、厳しかったけどさり気ない優しさを持っていた父親が尊敬できて、私をよく見てくれた母親を信用していて...。
何時も味方でいてくれたあの人達が私の唯一であった。
普通の、本当にどこにでもいる普通の家庭だった。普通に勉強して、普通に友達と遊んで、普通に幸せだったんだ
ただみんなと違っていたのは"ｰｰｰｰ"をしていた事だけ。
それを抜けば本当にどこにでもいる家庭だ
...なのに。
なんであんな事になった？
なんで私たちだったの？
なんであの人達が死なないといけなかった？
なんで私は、また生きないといけないの？
様々な疑問が私の脳内に散らばる。別に私が望んだわけでもないのに、私だけが生かされていた
全部失って、壊れた私にこれ以上何を望むんだ。一体私たちが何をした？世界に何をしたって言うんだ
私たちはただ普通に生きてただけなのに。笑って楽しんで、幸せになるのに何がいけなかったの！！
怒りと憎しみが湧き出る中、私の言葉なんて誰にも届いてはいない。その問に応える声なんて存在しないのだ
彼はいない。この物語での主人公は消えた。私が彼になって、彼は死んだのだ。私が殺したんだ
あの人たちもいない。私はあの人の元にさえいけなかった、逢えなかった
記憶をもって生まれて、また苦しみながら生きなくてはならない。それならいっその事死んであの人達の元に行きたいのに
世界は許してくれないんだ
奴らは私を逃がさない。前世で死んでもこの世界では死なせてはくれない。
だから私は、関わらないって決めたんだ。静かに生きようと、静かにこの世界から消えようと思ってたのに、
ー 許されなかった ー
最後の最後まで、世界は残酷なのだ
そしてこれからもそれは変わらないだろう
悔しいなぁ...悔しくてたまらない。何も出来ない自分が、弱い自分が大っ嫌いだ
でも、だからと言ってどうにもできる訳じゃない
本当に自分は" 無力 "だ。
｢ご...め、ん｣
自然と出たその言葉の意味すら
自分でも理解出来なかった＿。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 268人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓮@(プロフ) - 闇の道化師さん» ありがとうございます！喜んでもらえたのなら作者も嬉しいです。更新頑張りますね (2017年3月8日 18時) (
レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
闇の道化師 - こういう作品大好きなので頑張って欲しいです！これからも頑張ってください♪ (2017年3月7日 23時) (レス) id: a4c5ed2f5a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» ありがとうございます！楽しんでいただけるよう作者も頑張ります。 (2017年3月5日 22時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - お返事ありがとうございます。私もハッピーエンド好きなので嬉しいです。更新頑張って下さいね。 (2017年3月5日 21時) (レス) id: f2e5b2371a (このIDを非表示/違反報告)
蓮@(プロフ) - (名前)さん» 落ちは決まっています！作者はハッピーエンドが好きなのでそうしようかなと思っています！一応話はシリアスメインですけどね (2017年3月5日 20時) (レス) id: 265fac0211 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
