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童「あれ〜あのお方は、ご飯さえ与えれば君の事を好きに食べていい、って言ってたから、てっきりそういうものだと思っていたよ。」
俺は一切知らされてもなかったのだが…、他の鬼に聞けと言うことは、とりあえず彼の言っていることは正しいのかもしれない。
『あのお方であるかはわからないけれど、とりあえず白い洋服を着た男は、俺の役割を告げる前にどこかに消えてしまったのですよ。』
『しかし、そうだったか、家畜、か…、それは嫌だな……、何か他の呼び方できません?
俺に人権がないのはこの待遇を見てわかるが、流石に元人間にとって家畜呼ばわりは堪えるものがあります。』
そういうもん?とでも言いたげな顔をしている童磨さん。
そういうもんです、鬼は時間が経つと人間の感覚を忘れてしまうのかもしれない。
まあ彼がいつ鬼になったかはわからないから何とも言えないけれど。
童「ん〜…、じゃあ俺が名前をあげるよ、鬼になったお祝いとして。
う〜ん、A、なんてどうだ、家畜よりはいいと思うのだけど!」
『そう、ですね。家畜よりは全然マシです、ありがとうございます。』
童「いいよいいよ〜、俺、後輩はかわいがる方なんだ!
今度来るときは、名札を持ってきてあげよう。」
…なんだろう、このよくわからない苛立ち。
興味深いとは思うのだが、分析するのには骨を折りそうだ。
…それを考えるのは後日でもいいか。
童「って、そんなことより、君の身体、食べさせてよ。俺がここに来た理由の本命はこっちなんだ。」
『……忘れてた。』
そういえば俺、'食べられる"側でもあったんだった。
今、俺はすごく恥ずかしい状態になっています。
四肢を容赦なくもぎ取られました。
トドのつまり、達磨みたいな感じ、恥ずかしくて死にたい(死ねない)。
童「ん〜、やはり男の肉は硬いなぁ…、あと君肉がないね、食べがいがないよ。
まあ、しかし稀血ということもあって、香りも味も最高だね、これがいつでも食べられるなんてあのお方はなんて部下思いなのだろう…!」
『ちょっと…、俺結構痛いんですけど、もっといいやり方無いんですか。』
溢れ出す血と共に生え始める俺の手足。
この感覚に慣れなければいけないとなると、永遠の命を手に入れているのだとしてもこの第二の鬼生(人生)を楽しめないのではないか。
それは勿体ない、他にも童磨さんのような変わった鬼がいるかもしれないからだ。
童「え〜、ほんと君は家畜のくせに我儘だなぁ。」
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串(プロフ) - 罷免さん» はじめまして、コメントありがとうございます。どツボにハマって頂けましたか…!正直癖の強い作品だと思っていたので、罷免さんを含め多くの方に評価して頂いている事実に毎度驚愕しております…。これからもちゃんと更新するので、作品共々よろしくお願いします! (2020年2月29日 2時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
罷免 - どツボです…更新ありがとうございます!!! (2020年2月27日 22時) (レス) id: d073c1529e (このIDを非表示/違反報告)
串(プロフ) - はじめまして、コメントありがとうございます。楽しんでもらえるよう、予測できない展開にしようとこんがらがり気味ですが、面白いと言って頂けて嬉しいです!無計画なので変な点もあると思いますが、是非最後までお付き合いください。これからもよろしくお願いします! (2020年2月27日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
アクトレモン(プロフ) - とてもこの作品が大好きです!!今まで見たことがない展開などとても面白いです!更新頑張ってください (2020年2月27日 11時) (レス) id: 4bdd481c8a (このIDを非表示/違反報告)
串(プロフ) - ウルさん» はじめまして、コメントありがとうございます!会話文だけの夢小説が苦手だったので、情景や心情描写を出来るだけ挟むようにしていたのですが…、まさか読者様の妄想の糧になっていたとは思いませんでした笑 応援とても嬉しいです、これからもよろしくお願いします! (2020年2月22日 20時) (レス) id: 94b567b340 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:串 | 作成日時:2020年2月15日 20時