ケージ:99 ページ3
グルッペンさんたちのいない一週間が始まった。心なしか、辺りが静かになってしまったように感じる。
明るい声で笑うコネシマさんも、忙しそうにあちこちに指示を飛ばしながら働くトントンさんも、元気に訓練場を駆け回るゾムさんも、____ロボロさんも。
今は、ここにはいないから。
けれど、何が変わるということはなく。
朝起きて、着替えて、食事をして、訓練をする。このルーティーンは変わらない。
「……。」
一つ特筆すると、私は私の中の何かが抜け落ちてしまったようだった。
決定的に何かが瓦解してしまった、という訳ではないと思う。
……いや、もしかしたらそうじゃないかもしれない。何かが、欠けてはいけないものが私の中から無くなってしまったのかもしれない。私が、気がついていないだけで。
でももう、分からないのだ。気がついていないのかどうかなんて、気がつかない限り分からないのだから。
留守の間頼まれた仕事をこなしながら、何とはなしにそう考える。
……あと一枚で終わりだ。きっちりと判が押されているのを確認して、確認済みの書類に重ねる。纏めにして抱え、部屋を出た。書類は分け終わったら鬱さんに渡すように言付かっている。
さて、そうなれば次の私の仕事は鬱さんを探すこと。
廊下を歩き出そうとしたところで、はらりと紙が落ちた。……ああ、均等な大きさで揃えられた書類の中で、たしか一枚だけ一回り小さなものがあったはず。それが抜け落ちたのだ。
いけない、と慌てて拾いあげようとして、あ、と声が漏れた。生白い指が、先回りしてそれを拾ったから。
「……鬱さん。」
「ん、僕です。なんや、こーしてちゃんと顔会わすの久しぶりな気ぃするねえ。」
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かぼちゃ(プロフ) - この作品大好きです。最高です。何度も読み返しています。主人公が可哀想で可愛い。仄暗さが最高です。更新いつまでも待ってます。 (9月29日 0時) (
レス) id: af8b6c02d3 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 続きは何処…！ (2022年11月18日 7時) (レス) @page32 id: 77c841469d (このIDを非表示/違反報告)
バカふわ - 続きと結末が気になります！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page32 id: 95afcd7436 (このIDを非表示/違反報告)
りこち(プロフ) - すきです！！とくにz脅威さんの台詞の吃り方が天才です！！！！すき！！！！ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 7094782543 (このIDを非表示/違反報告)
あか - とっても好きです！？！？！？！描写がとっても素敵で....更新ゆっくり待ってますね！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 2c4cbba459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2020年2月26日 20時
