ケージ:109 ページ13
「ふう。」
小さな嘆息。
書類仕事を終え、顔をあげるともう夕刻だった。
隣で作業していたオスマンさんがふわりと小さなあくびを一つする。少し疲労の滲んだ顔を私に向けると、今日はもうええよと柔らかく微笑んだ。
「昼からぶっ通しでごめんね。お疲れさま。」
「いえ、私は全然……簡単なことしかできなくて、その……ごめんなさい。」
「ふふ、なんで？謝ることなんてないやんか。一生懸命頑張ってくれたやろ？
君の仕事にはミスがなくて、こっちとしても助かってるんよ。それに、やるのとやらないのとじゃ大違いや。」
分厚い書類の束をまとめながらオスマンさんが微笑む。言葉の端々から滲む温かさが心地よくて、でも同時に申し訳なくなった。
後はやっておくから先に部屋戻り、と言われ、大人しく部屋を出た。
手伝う旨を進言しようかとも思ったけれど、逆に足手まといになってしまいそうだからやめた。
部屋までの道のりが、やけに長く感じる。この施設の中は、窓が少なくて常に廊下が薄暗い。
間接照明に薄ぼんやりと照らされたリノリウムの床を歩く。こつこつ、と規則的に響く自分の足音が何故か嫌に耳につく。
足首をくるりと一周する細いベルトが、何故だか足枷に重なって背筋が冷えた。
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かぼちゃ(プロフ) - この作品大好きです。最高です。何度も読み返しています。主人公が可哀想で可愛い。仄暗さが最高です。更新いつまでも待ってます。 (9月29日 0時) (
レス) id: af8b6c02d3 (このIDを非表示/違反報告)
さく - 続きは何処…！ (2022年11月18日 7時) (レス) @page32 id: 77c841469d (このIDを非表示/違反報告)
バカふわ - 続きと結末が気になります！ (2022年9月27日 21時) (レス) @page32 id: 95afcd7436 (このIDを非表示/違反報告)
りこち(プロフ) - すきです！！とくにz脅威さんの台詞の吃り方が天才です！！！！すき！！！！ (2021年2月21日 15時) (レス) id: 7094782543 (このIDを非表示/違反報告)
あか - とっても好きです！？！？！？！描写がとっても素敵で....更新ゆっくり待ってますね！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: 2c4cbba459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちくわ | 作成日時：2020年2月26日 20時
