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クロロが戻らず1ヶ月たった頃、Aは一度クロロにメッセージを打った。
『雪が降ってるよ。』
たったそれだけだったが、きっと彼ならAの意図を汲んでくれるだろう。
「(早く帰ってこいバカ!)」
会わない期間が伸びれば伸びるほどにクロロとどう接していたか思い出せなくなってくる。
私とクロロは特殊な関係だったからだ。
よくよく思い返してみれば、お互いの住む家も、念のことも、過去のことも何一つ知らない。
それで成立していたことが不思議なくらいだ。
何日経ってもそのメッセージに返信は来なかった。
私の携帯は、貴方と連絡する以外に使い道などないというのに。
「なぁA。」
まったく上手く弾けないチェロに黙って耳を傾けていたイズナピが口を開いた。
「何を悩んでるか知らんが、お前がそうだと俺もどうしていいかわからん…だからというか、その、なんだ、今晩は肉でも食いに行くか?」
頭を掻きながらそう言ったイズナピにAは目をぱちくりさせた。
その様子を見てかイズナピは顔を歪める。
あ、このしかめっ面は恥ずかしいのを我慢してる顔だ。
思わずぶはっと吹き出してしまった。
「な、なんで笑うんだこの野郎!なんだ、肉が気に入らんのか!?べつに甘いもんでも、」
「師匠、ありがとう。」
これはこの人なりの慰め方だったのだろう。
不器用なイズナピのその優しさをAはとても嬉しく思った。
父がいればこんな感じだったのかも知れない。
母子家庭で育ったAにとって、異性からの純粋な親愛は不思議な感覚だった。
「…なんだよ急にかしこまって。」
「お肉食べて甘いもの食べたら元気になるかも。」
「…お前神経図太いな…」
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ぽへみあん(プロフ) - ミヤナさん» ありがとうございます!私も久石さん大好きです(≧∇≦*)更新遅くて申し訳ないのですが、これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月25日 21時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤナ(プロフ) - とっても素敵な作品ですね!私はクラシックはあまり詳しくないのですが、久石譲さんの曲は好きです!とっても素敵ですよね。応援しています! (2019年9月24日 23時) (レス) id: 7d8442c23e (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 林 香織?さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです♪。私の大好きな曲ばかりなので聞いていただけて幸いです。ぜひクラシックに興味を持っていただけたらなと笑!更新頑張って参ります…これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月17日 14時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - ぽへみあんさん» 初めまして!団長の不器用さと主ちゃんの優しさに虜になりました!出てくるURLを聴きながら小説を読みこんな曲か…と読んでおりました(笑)作者さんのペースで更新頑張ってください! (2019年9月11日 23時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 死体さん» ありがとうございます!そんなそんな…(--;) 私なんてまだまだですが、そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年8月20日 10時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽへみあん | 作成日時:2019年7月21日 0時