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彼女は最後の音を弓を高く上げて弾ききった。
長い時間思考がトリップしていたように思ったが、多分彼女が演奏していたのは実際は3分くらいだろう。
音がなくなり少しの静寂に包まれる。
急に現実に戻ってきたみたいだ。
子供たちが思い出したように、一斉に拍手をする。
クロロも心の中で拍手喝采を送った。
「どうだった?」
「、すごい綺麗な曲だった!」
「優しい感じの曲だね!」
彼女が問いかけると子供たちは口々に感想を言う。
それを嬉しそうに微笑んで、彼女は顔を上げた。
その瞳が、クロロの瞳とかち合う。
「そこのお兄さんは、どうでしたか?」
彼女の瞳は燃える夕日を閉じ込めたような光を放っていた。
その美しさに、
いや、自分の存在に気づいたことにクロロは驚いた。
気づかれないように彼女の視線には気を使いながら、絶までしていたのに。
「とってもよかったよ。」
クロロがそう答えると子供たちが一斉にこちらを見た。
そうか、彼らの姿を俺は追って来たんだった、とクロロは思い出した。
彼女の姿を見るまで自分は絶をしていなかったな。
ある程度の能力者なら急に気配が消えたら警戒するだろう。
彼女のオーラがあまりにも自然だったので念能力者ではないと勝手に判断していたが、改めて見ると彼女のオーラは“不自然”なほど自然だ。
コントロールされた綺麗なオーラ。
相当な使い手なのかもしらない。
「そんなところに居ないで、こちらに来てくださったらいいのに。」
彼女は木陰から姿を表したクロロにそう微笑みかけた。
「いや、俺はここで結構。」
「そうですか…」
クロロも微笑み返しながらそう言うと、彼女は残念そうな素振りを見せた。
しかし不敵に笑うと、彼女は「あのお兄さん捕まえてきて」と子供たちに言い放ったのだ。
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ぽへみあん(プロフ) - ミヤナさん» ありがとうございます!私も久石さん大好きです(≧∇≦*)更新遅くて申し訳ないのですが、これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月25日 21時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤナ(プロフ) - とっても素敵な作品ですね!私はクラシックはあまり詳しくないのですが、久石譲さんの曲は好きです!とっても素敵ですよね。応援しています! (2019年9月24日 23時) (レス) id: 7d8442c23e (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 林 香織?さん» ありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです♪。私の大好きな曲ばかりなので聞いていただけて幸いです。ぜひクラシックに興味を持っていただけたらなと笑!更新頑張って参ります…これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年9月17日 14時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
林 香織?(プロフ) - ぽへみあんさん» 初めまして!団長の不器用さと主ちゃんの優しさに虜になりました!出てくるURLを聴きながら小説を読みこんな曲か…と読んでおりました(笑)作者さんのペースで更新頑張ってください! (2019年9月11日 23時) (レス) id: 3baa06326a (このIDを非表示/違反報告)
ぽへみあん(プロフ) - 死体さん» ありがとうございます!そんなそんな…(--;) 私なんてまだまだですが、そう言っていただけるととても嬉しいです!これからもよろしくお願いします(_ _) (2019年8月20日 10時) (レス) id: 6ca0d30634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽへみあん | 作成日時:2019年7月21日 0時