4話 交渉 ページ5
嘘だろ...多分、人相手に油断しすぎてしまったようだ。月浪は私の弓を目撃したらしい。これは非常にまずい。
「弓は弓だが...」
そりゃそうだ。自分でもそう思ってしまった。それほどまでに焦っているんだろう。私は。
「えっと、それは分かるんだけど、弓がどこから出てきたかとか、弓で何してたとか、そうゆうことが知りたくて...」
意外にも真面目な奴だ。私の訳分からないこの発言にしっかりした返事を投げかけるのだから。まあ今それはいい。どう説明するかだ。まさか家の話をこんな会って数時間の奴に話す訳にはいかない。とりあえずここは、濁して乗り切るか。
「簡単に言えば、暴れた人を落ち着かせただけだ」
「なるほど...じゃあ、なんで暴れていたかが分かったってことだよね?あと、弓は何処に消えたの?」
中々折れない奴だ。面倒くさい。こいつは私に嫌われるタイプだな。怪魔だなんて言っても説明つかないのに...さて、どうしたものやら。
...ん、そうだ。
「生憎その質問には簡単に答えられないんだ」
「そっか...」
残念そうだな。だがまだ早いさ。
「そこでだ。お前からも人に言えない話の1つをしてもらう。そうしたら私も質問に答えよう」
さあどう出る?月浪。
ートウマsideー
こんな交渉を持ちかけられるとは思わなかった。僕が見たものは、中々すごいものかもしれない。ただ...この交渉に乗るべきだろうか。僕から聞いたのに逃げるのも...交渉に乗ろう。そうすれば、分かる。とは言っても人に言えない話か...
「えっと...これが五百雀さんの求めていたような話じゃないかもしれないけど、僕あの騒ぎの原因は妖怪の仕業じゃないかと思ってるんだ。妖怪が見えるの」
一瞬驚いた様にも見えた。これで、いいかな。
「そうか、随分と面白いじゃないか」
彼女は妖怪が見えるのを不思議に思わないのだろうか。もしかしたら彼女も...
「いい、約束通り答えよう。確かに暴れていたのは妖怪の類い、怪魔の仕業だろう。そして弓は...」
ここまで話すと五百雀さんは手を空高く上げる。するとそこに...
「これが知りたがってた弓。これで怪魔の取り憑きを止めた」
五百雀さんの手元に弓が現れる。原理はよくわからないけど、特別なワケがあることは分かった。
「なるほど...」
そしてどうやらこの道で分かれるらしい。別れ際に彼女は一言、
「ちなみに私も妖怪は見える」
と言った。五百雀さんも妖怪探偵団に誘うべきだろうか。
ラッキーカラー
あずきいろ
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
35人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Milkcat(プロフ) - 珠華姫さん» ありがとうございます!楽しんでもらえるような小説が書けるように頑張ります! (2019年8月7日 22時) (レス) id: f6a5fa765e (このIDを非表示/違反報告)
珠華姫(プロフ) - すっごくおもしろいです!更新頑張ってください!無理はしないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年8月7日 21時) (レス) id: 8b16303676 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - kotorin♪さん» 感想ありがとうございます!更新遅くなってしまってますが、出来る限り更新するので読んでいただけると嬉しいです! (2019年7月28日 23時) (レス) id: 444fb6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - 凄く面白いですね!続きが気になります!頑張ってください! (2019年7月28日 21時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Milkcat | 作成日時:2019年7月19日 10時