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25話 感謝 ページ26

天野さんに質問攻めされた時はどうしようかと思った。あの時トウマを助けたのは...少なからず、私はあいつに仲良くなりたい、と言われたのが嬉しかったからだと思う。まあ、そこまでは人の考えとして間違った考えではないと思う。ただ、どうして今まで人を拒絶してきた私が嬉しいと思えたのだろう。そこが不思議でならない。自分の変化に取り残されたような感覚に頭を悩ませるこの頃。もうすっかり日も落ち、トウマとまた歩いていた。
「今日はありがとう」
 トウマがそんな感謝の言葉を口にした。私は大したことしてないのに。
「礼を言われる程のことはしてないさ」
「でも、すごいと思う」
真剣な顔つきですごいとか言われるとどう受け取っていいか悩む...悩んでいる私を気にも留めていないようにトウマは話続ける。
「あの状況で咄嗟に人のために動けるのってすごいと思う。それに状況に流されずに矢を命中させられるから...」
矢はまあ、私からしたら普通なんだよな。
「矢は...昔ずっと鍛練を積んでいたからな。庇ったのは...」
そこまで言って口ごもってしまう。嬉しかったなんて言えない。なんでだろう。プライドに近い何かが邪魔をする。
「なるほど...」
一瞬という時間を静寂が支配する。会話がピッタリ止んでしまった。その後...
「優しいんだね」
「優しい...?」
 私が優しい...という意味だろうか。どこをどうみたら優しいんだ。
「優しくなんてない...私は人を切り捨て拒絶するような奴だ」
「でも...!」
トウマは必死に何かを言おうとする。なんだか申し訳ない気持ちにもなってきた。
「僕を助けてくれたじゃん!」
「...」
「だから、Aが普段酷い人だったとしても、きっと優しい気持ちもある人だって僕は信じる!」
信じる...か。そう簡単に人を信用するのもいいとは思えないが...
「そうか、それはありがとう」
正直なその言葉は人の温かさを帯びていたような気がする。
「気に食わないわね...」

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設定タグ:妖怪ウォッチ , シャドウサイド , 月浪トウマ   
作品ジャンル:アニメ
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Milkcat(プロフ) - 珠華姫さん» ありがとうございます!楽しんでもらえるような小説が書けるように頑張ります! (2019年8月7日 22時) (レス) id: f6a5fa765e (このIDを非表示/違反報告)
珠華姫(プロフ) - すっごくおもしろいです!更新頑張ってください!無理はしないで下さいね。楽しみにしてます! (2019年8月7日 21時) (レス) id: 8b16303676 (このIDを非表示/違反報告)
Milkcat(プロフ) - kotorin♪さん» 感想ありがとうございます!更新遅くなってしまってますが、出来る限り更新するので読んでいただけると嬉しいです! (2019年7月28日 23時) (レス) id: 444fb6a5c2 (このIDを非表示/違反報告)
kotorin♪(プロフ) - 凄く面白いですね!続きが気になります!頑張ってください! (2019年7月28日 21時) (レス) id: cc2a8c7850 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Milkcat | 作成日時:2019年7月19日 10時

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