きみを好きになって～S・O～２ (ページ10)

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時間が空いたから、もう帰ってしまっただろうAにメールをする。

『もう少しで帰れるんだけど、Aがいないと寂しいよ。
また週末来てほしいなぁ。』

我ながら甘いメールだと思う。

今までこんなの女の子に送ったことあったかな？

いや、ないな。

合鍵を渡したの初めてなんだから、家で誰かが待ってるなんてことがなかったんだ。

好きな子がメシ作って待っててくれることが、こんなに嬉しいことだなんて知らなかったよ。

送信するとドアが開いて松潤が入って来た。

「あれ？
ニノの後じゃなかった？」

楽屋においらが戻っていたことに驚いているみたい。

「あ、うん。
ちょっとメールをね・・・。」

携帯をバックに戻して部屋を出ようとしたら

「お先。
ドラマ撮影頑張って。」

「あ、サンキュ。
お疲れ。」

そのあと着替えていた松潤が、滅多に鳴らないおいらの携帯メールの着信音を聴いたことなんて知らなかったんだ。

おいらの様子が変だってみんなで話してたことも知らないで、おいらの久しぶりの恋のことは秘密にできてるとずっと思ってたんだ。

ひとりひとりの写真撮影が終わって楽屋に戻ると、携帯がメール着信を知らせていた。

慌てて携帯を手にする。

「私がここに入って来たときから光ってましたよ。」

おいらの前に終わったはずのニノがまだゲームをしている。

おまえ、いつまでここにいるんだよ。

心ん中でつっこむ。

『お疲れさまでした。
料理のレパートリーが少ないので、恥ずかしいです。
今夜の分も作っておいたので、よかったら食べてください。
洗い物、増やしてしまってごめんなさい。』

えっ？今日の分もあんの？

慌てて着替えて

「お先！お疲れ！」

急いで楽屋を飛び出した。

早く帰るって言ってたのに、こんなの不意打ちだよ。