きみを好きになって～S・O～２ (ページ23)

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家に着くと、荷物をテーブルの上に置いて自分の部屋にまっすぐ向かった。

自転車をこいでいる時は、何も考えずただ家に帰ることだけを目指していたから、自分の部屋に入った途端ちからが抜けた。

昔から親から怒られた時に入っていた、窓とベットとの間に体育座りで入り込む。

♪～

リビングに置きっ放しのバックから、携帯の電話着信メロが微かに聴こえてきた。

リーダーのソロの中で一番好きな曲・・・。

智くんかな・・・。

こんな時なのに、期待してしまう自分が浅ましい。

しばらく鳴っていたメロディが途切れてため息が出る。

♪～

今度はメールの着信メロが鳴った。

リーダーに堕ちたドラマの曲・・・。

今日の智くんは、いつも眠そうなのに朝から元気だった。

つき合うようになったのが忙しい最中だったから、普段の智くんのスケジュールがどんなものなのか知らないんだけど、今日はつき合いだして初めてふたりで過ごすお休みだったんだ。

忙しいしどっちかの家でしか会えなかったけど、秘密にしてって頼んだのは私の方だからそんなつき合い方でも全然構わなかった。

私の作ったご飯が食べたいって言うから、会えなかった間のことでも話しながらゆっくり過ごせたらなって思っていたのに。

智くん、私ね、少しだけど痩せたんだよ。

そんなことも、ね・・・。

今日、ホントは画材屋に行って絵を描きたかったんだろうな。

でもこの前の休みに釣りに行っちゃったから、私をずっと放っといちゃまずいって思ったのかな。

気を・・・遣わせちゃったのかな・・・。

今日の智くんは、絵のことで頭がいっぱいだったみたい。

色んな思いが溢れてきて、目の奥が熱くなってきた。

あっという間に流れ落ちる涙・・・。