後輩が増えたらしい ページ45
you side
事の発端は、部活の最中。
可愛い可愛い部員であるチーノくんが溢した一言であった。
「っはぁー…」
『なんか元気ないね?』
覇気がなく、頬杖をついている彼にそう問えば、ううんと唸る。いつもは先輩先輩ー!!と話しかけてくる元気さは何処にいったのやら。
「いやぁ、一週間後テストやな…って」
『えっ、意外。勉強苦手なの?』
「苦手な訳ちゃうけど、好きでもないっていうか」
だいぶ親しくなり敬語も抜けた彼は、私が先程まで描いていた宣伝ポスターのラフ絵を見ている。
ちなみにデザイン案は、チーノくんから頂いたものだ。相変わらずとか言わないでね。
『んー。別にここで勉強なり課題してくれて構わないよ?良ければ教えるし』
「え、いや部活…っていうか教えてくれるんですか?」
『アイデア貰ってるし。それにずっと絵描いたりしてても疲れるでしょ?』
まぁ君は描いてないけどな…とは言わない。
「うーん…それじゃあ一人別の人連れてきてもええ?」
『うんどうぞ、って待って?いや誰を!』
「まぁまぁ!」
そんなわけで丸め込まれ、明日連れてきますね!と言われたのが昨日。
そして放課後の現在、どうにも落ち着かずひたすらに教科書を捲っている自分がいた。なんで了承したんだろう、私。
「せんぱーい!」
『わあっ!!』
ぱらぱらと無機質な音が響く中、ぽん、と肩に手を置かれる。突然のことに飛び上がり後ろを振り向けば、満面の笑みを浮かべたチーノくんがそこにいた。お前この。
「っく、ふふ、めっちゃ驚くやん先輩!」
『そ、りゃあ驚くでしょ…!』
嬉しそうだからぐちぐちと文句を言う気にもなれず、取り敢えず力を抜くために息を吐く。
これから勉強を教えてもらう立場だというのに、何がしたいのだろうかこの後輩は。
「やっぱり俺、帰ったほうがええんちゃうかチーノ」
「え、帰るんショッピ」
聞き覚えのない声に目をやれば、茶髪に綺麗な紫の瞳をもった気怠げな子がそこにはいた。
「わあ…ほんまに知らないんすね」
『え?なに』
「先輩、こいつショッピです。ほら、一人連れてくるいうたやないですか!」
平然と鞄を床においたショッピくんというらしい彼。チーノくんはいつもの場所に腰掛け、教えてもらう用の教材を取り出し始めた。
…というか、チーノくんと仲が良いということは…?
『…もしかして生徒会』
「ご名答っす。なんかすんません」
『あー。いや、気にしないで』
フルコンボも遠くないドン!!
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森樂(プロフ) - ライアさん» 名推理!わかっていただけて安心しました、大正解です!! (2020年12月25日 6時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
ライア(プロフ) - なるほど、名探偵のようなポーズ…実写動画でのお決まりポーズですよね?! (2020年12月24日 22時) (レス) id: a00b590788 (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - 小豆さん» 私も美術部員ですこんにち((ありがとうございます、引き続きよろしくお願いします!! (2020年12月23日 21時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 同じ美術部員ですどう(((めちゃ神作ですね!!(確定)これからも更新応援しています! (2020年12月23日 11時) (レス) id: 73726d907e (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - つむ(^p^)**さん» ありがとうございます嬉しいです(号泣)作品の展開的にキャラに偏りありますが続々と出せていけたらなと思うので(願望)これからもどうぞよろしくお願いしますー! (2020年12月21日 15時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森樂 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sinra_ura_d?s=06
作成日時:2020年12月3日 23時