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you side
「Aちゃんまだ敬語抜けへん?」
『うっ…せ、せめて夏休み明けで…』
「シャイっ子やなぁ」
うさぎを愛でる手を止めず、顔をこちらに向けるオスマンくん。むす、としている様子は普通にあざとかった。私の周りはチーノくんといいあざとかわいい人が多いらしい。
私の面子がねぇな!!
「あぁ、そういえば昨日体育祭の話になったんだけど。A、平気そう?」
『ちなみに進捗は駄目だよ』
「うーん知ってた」
満面の笑みで答えれば、苦笑いを浮かべるらんらん。なんとなく話は通じたけれど、多分横断幕のことだろう。
これに関しては申し訳ないというか、描くものが浮かばない。進行度0である。ずっとスランプに陥っている気分で、あまり気持ちの良いものではないものだ。
『体育祭の実行委員代表ってたしか生徒会の誰かだったよね?できるなら案ほしいけど…』
「あー…ゾムとコネちゃんなんだよね…あの二人話してくれるかな」
期待は出来ないかも、という彼の言葉に撃沈する。名前は聞いたことあるけど、顔が一致しない。…コネシマくん、は、何処かで会ったような気がしなくもないけど…。
オスマンくんにアイデアを求めてもいいが、なんだか悪いしなぁなんておもって話を切り出せない。
話せないのは元から?やかましいわ。
…らんらんはお世話になりっぱなしだし、完全にお手上げだった。
『っはぁ…どうしよ』
「どしたん、って…なんか聞こえる」
「えっなに!?」
ふと、突然オスマンくんがそんなことを言い出す。隣にいたらんらんが大きな声を上げるものだから、思わず肩を震わせた。怖いやめて。
しんっと三人して黙れば、確かに遠くから……
"わふっ、わんわん!!"
なんていう、犬の声が…するような……
そう、思った瞬間。
『…え、いや、なんで犬の鳴きご__へぶっ』
体に、大きな衝撃が走った。
「Aちゃーん!?」
「A!?……ってあれ?イフリート!」
どうにか衝撃があった背中の方へ首を回せば、もふもふとしたものが目に入る。
らんらんが離してくれたことでようやく全体像が視界に入ったそのもふもふは、中型ほどの犬であった。
『え、かわいい。…えぇと、いふりーと?』
わん!と返事を返してくれたそのこは、らんらんの手から離れ寄り添ってくる。
あれ…予想外の癒やしじゃない…?
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森樂(プロフ) - ライアさん» 名推理!わかっていただけて安心しました、大正解です!! (2020年12月25日 6時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
ライア(プロフ) - なるほど、名探偵のようなポーズ…実写動画でのお決まりポーズですよね?! (2020年12月24日 22時) (レス) id: a00b590788 (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - 小豆さん» 私も美術部員ですこんにち((ありがとうございます、引き続きよろしくお願いします!! (2020年12月23日 21時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 同じ美術部員ですどう(((めちゃ神作ですね!!(確定)これからも更新応援しています! (2020年12月23日 11時) (レス) id: 73726d907e (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - つむ(^p^)**さん» ありがとうございます嬉しいです(号泣)作品の展開的にキャラに偏りありますが続々と出せていけたらなと思うので(願望)これからもどうぞよろしくお願いしますー! (2020年12月21日 15時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森樂 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sinra_ura_d?s=06
作成日時:2020年12月3日 23時