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目の前に座る同級生は、生徒会が始まる時間まで悠々自適にお茶を飲んでいる。…いや、正確には始まるはずの時間なのだが、遅刻している阿呆が居るからね。
女子みたくくるくると横髪を弄ってはいるが、その手は角張っていて、コイツもまぁ男だよなと思い直した。それにしても紅茶好きだな…。
「あっねえ、そういえばひとらん!」
「え、なに」
かと思えば、ぱっと顔を上げる。それは何か面白いものを見つけたような、そんな顔。他に生徒会室に居た面子もどうしたのだとこちらを見ている。
「ひとらんが昨日女の子と帰ってるの見たんやけど、あの子誰?めっちゃかわええやん」
「あー昨日?昨日は__」
「えなにげどちゃん彼女いるの!?」
「うわっ大ちゃん!?ちょっといきなり入ってくるのやめてよ!」
「あっおま大先生!遅刻やぞそこに座れ!正座や!!」
また一気に騒がしくなる生徒会室。
遅刻し飛び行ってきた大ちゃんへつらつらと説教を垂れ始めたトンちゃんに、一部は面白そうに野次を飛ばしている。
うわ、あとで怒られても知らないぞ。
しかしマンちゃんはといえばこれは直ぐには始まらないなと察したようで、またこちらを視線を向けなした。
「それでそれで?」
「ひとらんのそういう話聞いたことないな、俺も聞きたいゾ」
「えーグルッペンまで参戦すんの」
そういう話題好きそうじゃないじゃんとは言わない。重低音な声でもその見た目でも、好物は甘味という変わったやつだし。
「本当に大したことじゃないって。幼馴染。小学校からずっと一緒の」
「え、ひとらん幼馴染いたん!?」
「言ったことないっけ」
「聞いとらんな」
へぇー、なんて驚いた顔をするグルッペン。マンちゃんに至っては両肩を捕まれ、"なんでもっとはやく言ってくれへんのー!!"と喚いている。こういう話題好きだねマンちゃん。
「今度あわせてや、髪とか色々整えたらもっとかわいなるで」
「うーんどうだろ、A、あんまり人が得意じゃないから…」
「ほう?それはあれか、俺は平気だというマウントか」
「いや違うけど??」
そうしているうちに説教は終わったらしい。
ようやく始まった生徒会会議にみんなのんびりと、しかし集中して聞いていた。
…あーでも、確かに、少しお洒落しているAみたいかも…なんて。
今度会わせてみようかなぁ。
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森樂(プロフ) - ライアさん» 名推理!わかっていただけて安心しました、大正解です!! (2020年12月25日 6時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
ライア(プロフ) - なるほど、名探偵のようなポーズ…実写動画でのお決まりポーズですよね?! (2020年12月24日 22時) (レス) id: a00b590788 (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - 小豆さん» 私も美術部員ですこんにち((ありがとうございます、引き続きよろしくお願いします!! (2020年12月23日 21時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
小豆 - 同じ美術部員ですどう(((めちゃ神作ですね!!(確定)これからも更新応援しています! (2020年12月23日 11時) (レス) id: 73726d907e (このIDを非表示/違反報告)
森樂(プロフ) - つむ(^p^)**さん» ありがとうございます嬉しいです(号泣)作品の展開的にキャラに偏りありますが続々と出せていけたらなと思うので(願望)これからもどうぞよろしくお願いしますー! (2020年12月21日 15時) (レス) id: 319bfda70e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:森樂 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Sinra_ura_d?s=06
作成日時:2020年12月3日 23時