梅原 ページ12
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ある日の仕事終わり家に帰ると鍵が開いていた。
『…え、鍵掛けずに家出た？』
怖くなりながらも家に入ると見覚えのある靴があった。
リビングへ行くと犯人が。
『…梅、』
梅原「おかえり」
『……来るなら来るって言ってよ』
『泥棒に入られたかと思った』
梅原「楽屋に鍵忘れてさ。そう言えばAん家の合鍵
『そうだね返してもらってなかった』
梅原「忘れてたのかよ」
『うん』
梅原「返した方がいい？」
『…どっちでも』
梅原「じゃあ持っとく」
私と梅は少しの期間だけど付き合っていた。
ケンカばかりですれ違いの日々。
気持ちもすれ違ってしまって別れた。
『そ、ご飯は？』
梅原「まだ」
私もまだだったから軽く作ることにした。
『……なんか懐かしいんだけど』
梅原「だな」
ご飯も終わり入浴も済ませた私たちは寝ることにした。
『私ソファで寝るからベッド使っていいよ。』
梅原「いや、俺がソファで寝る」
『大丈夫、このソファ、ベッドにもなるし。おやすみ』
そう言って無理矢理梅をベッドへ寝かせた。
もう付き合ってないからさすがに同じベッドでは寝られない。
お互い嫌いになって別れた訳じゃないけれど。
梅はどう思ってるのか分からないけど
私はもう梅に対して「好き」という感情はない。
普通に好きではあるけど恋愛感情はない。
だから本当は鍵も返して欲しいんだよね。
引っ越そうかとも思っているし。
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翌朝目を覚ますと既に梅はいなかった。
テーブルの上には
「昨日は急にごめん。鍵も返しておく。ポストに入ってるから。」
と言うメモ書きがあった。
『…なんなの』
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作者名：蒼空 | 作成日時：2021年4月20日 23時
