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story 6 ページ7

「...きて、起きて、A」

「あ、累...?」

「うん。おはよう、A」


彼らにとってのおはようは夜の挨拶。夜にしか活動できないからだ。おはよう、と挨拶をするとふわりと優しい笑みを浮かべる。ふと、いつもとは違う後頭部の感覚を不思議に思っている時に私は我に返る


「る、るる累!?あの、もしや今...」

「ん?ああ、膝枕だよ。やってみたかったんだ」


ふふっと楽しそうに笑った累はその冷たい手と私の手を繋ぎ、ちゅっ、と軽く額にキスを落とす。優しくて甘い彼の愛情はとても心地よい。だが、先程までの幸せな空気は急変した累の恐ろしい気迫によって打ち消された


「...累、?」

「A。ずっと気になってたんだけど、人間の匂いが濃いね。それと、この腕はどうしたの?赤くなってる。僕じゃない男から付けられたの?ねぇ、どういうこと?」

「っ、あ...」


冷たい眼差しが私を捉えて離さない。目を逸らそうものなら容赦なく私を傷つけるだろう。汗ばむ私の身体は素直に話した方がいいと言っている


なのに、彼ら人間を助けたいだなんて...

なんでそんなことを願ってしまうの、?


「早く言いなよ。僕はそんなに長く待てないんだ」

「っ、男の人に襲われそうになってっ、腕、掴まれて...叫んだら、ご飯を買った所のおじさんが、っ助けてくれたの。すぐ走って逃げて蹲ってたら累が来てくれたから、それ以外は何も...」

「......そう。嘘はついてない?」

「っ、う、うん。もちろんだよ」


ごめんなさい、累


私は貴方に嘘をついた


「嘘つくなんて僕も随分と舐められたものだ」


何か言ったように聞こえて顔を累の方に向けると首に衝撃が来た。累の狂った顔を見た直後、私は意識を失った

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黛パフェ(プロフ) - 自分のことを愛して必要としてくれる累を最終的に選んだ、ということになります。もし累ではなく炭治郎と先に出会っていたら炭治郎を選んだと思います!というような感じです! (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - ありあさん» 作品を読んでくださり、ありがとうございます。私の中では、人間の自分を助けて必要としてくれた累に依存してしまっていて好きだと思い込んでいる時に炭治郎に一目惚れをしてしまった、という感じですね。炭治郎が夢主を好きだというのを夢主は知らない訳ですから (2021年10月27日 18時) (レス) id: 8c9d1a6f15 (このIDを非表示/違反報告)
ありあ - とても面白かったです。一つ疑問に思ったのが炭治郎に一目惚れしたのに地獄で累にあった時恋焦がれていたと書いてあります。ということは夢主は二人を同時に好きだったということですかね? (2021年9月20日 16時) (レス) id: afb0d23f81 (このIDを非表示/違反報告)
黛パフェ(プロフ) - あやりんさん» 見てくださってありがとうございます。地獄でもラブラブしてて欲しいです笑。本当にありがとうございました! (2020年7月24日 19時) (レス) id: d3f83fb575 (このIDを非表示/違反報告)
あやりん - 感動しちゃいましたーー!!(泣)地獄に、堕ちて、会うなんて。。。もう泣くしか無い!!! (2020年7月24日 17時) (レス) id: 5191a250c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パフェ | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月14日 12時

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