人間のクズ。

黒く ページ9

私は中学受験も無事に終え、今だ祖父母との関係は変わっていないが、両親の喧嘩は少なくなったと思う。




兄への不満も減ったのだが、また転機が来たのだ。




兄はあるネッ友(ネットで知り合った友達)
とL○NEで通話をしているのを聞いた。



内容は、とてもではないが人に話せることではなかった。

軽いノリでもなかったし、言ってしまえば終わりとでも言うような内容。


話すことは出来ないが、倒錯的な愛に関係することだと話しておこう。





当然のことで驚きはしたと思うが、私は大して気にもせずに手に持っていたスマホで二人の会話の内容をメモしたのだ。


だが所詮は手書き。言い逃れはいくらでも出来るし、私が嘘の出来事を書いたと言われれば私の信用に関わる。


私はスマホのレコーダーアプリで録音をしていたのだ。




我ながらすさまじい内容を聞いていながら冷静に会話を書き留め、録音までして証拠を集める。ここまで出来たのは気持ちが悪いと思った。





さて、このネタをどうするか。バラすかバラさないかで兄の一生が終わるかどうかの内容だ。





私はこのネタを手に入れた後、自室で一人気味が悪くも笑っていた。




さんざん私を苦しませて来た兄だ。


母は兄贔屓なところがあるので、私は昔から隠れて泣いていた。


兄も機嫌が悪い時に八つ当たりをされ蹴られたことがあった。





そんな訳で、忘れかけていた怒りを思い出した私はその時は本当に嬉しかったのだ。





潰せる。実の兄を、今までさんざん自分を苦しめて来た兄を。

そう思うと寒気が走って背筋が凍った。手も震えていた。

だがなんとも言えない優越感に私は浸ることができたのだ。








こんなことを考えるほど私は腐りきっている。

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