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私は傷が綺麗だと思った。
痛いのは嫌いだ。痛覚がないなんて言わない。痛みを快感とも感じたことはない。
それでも私は、過去二回のアムカの様なもので作った傷を綺麗に思えて仕方なかった。
綺麗だ、美しい、
芸術とすら思えた。
私は肌が白かった。
まだ若いため、肌もまぁまぁ綺麗だった。
運動をしていたわけではないから怪我も少なく、日焼けもせず、
盛んに遊びに行ったりと、外出をするわけでもなかった。
まぁ、人付き合いは流石に少しはしなければと思ってはいたため、遊びに行くことが全くないというわけではない。
それでも肌は白かった。
その白い肌はなんの魅力のない私でも褒められた。
だからその白い肌に入った赤い紅い傷が芸術的でなんともいえない綺麗さだった。無意識に眺めてしまうほどのものだった。
綺麗だ、なんて考えてしまう自分に情けなく笑いかけた。
吐き気がする。なんでそんなことを思うのか、自分でも理解できない。
それでもやはり白の背景に、ハッキリと目立つ傷は綺麗なのだ。
それでも、ある程度傷が治ってくると、それはただの“傷跡”でしかなくて、こんなんだったら傷などつけない方が良かったと後悔した。
よく分かった。【後悔するよ】がどういうものか。それでも私は落ち着いている。
だからなんだ?ただの傷跡になった、後悔した、だからなんだ?
やっぱり私はクズだ。
どうしたらいい。
後悔をしたところで何も思えない。
前を向こうとも、歩こうとも思えない。
人間性が欠けているのか?
あぁ、やはり私は分からない。
ただ一つ分かるのは、私という人間がどれほど愚かなものなのかというだけだった。
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魅月 桜花(プロフ) - 弓月さん» そうですね。辛いことがまたあったら相談に行かせてください。あなた様も何かありましたら私は絶対ボードにてお返事いたします。優しいお言葉、本当にありがとうございます。コメント、本当に嬉しかったです。 (2018年6月8日 20時) (レス) id: bb7045b574 (このIDを非表示/違反報告)
魅月 桜花(プロフ) - 弓月さん» 私と同じような環境の方も確かにいるんですね。コメントありがとうございます。偽善なんて思っていませんよ。それに、偽善かどうかは私にとって対して大切ではないのです。どんな理由であり、手を差し伸べてくださっているのですから。 (2018年6月8日 20時) (レス) id: bb7045b574 (このIDを非表示/違反報告)
弓月(プロフ) - 偽善だと思われると思いますが…何かあったら、私にも相談してくれませんか?頼れる人がいるというのが、相談できる人が1人でも多い方が少しでも…あなたの心を軽くできるのではないかと思いましたので…あ、無視してくださっても構いません (2018年6月8日 19時) (レス) id: 32509f2cb7 (このIDを非表示/違反報告)
弓月(プロフ) - 私は今、中学生ですが家族に天才と言われる者が私以外に大量にいます…。私は家族の中で孤立しています。理由は…コメント欄ですし、言いませんが。とにかく、私以外にもそういう方がいると知り、少し心が軽くなりました。 (2018年6月8日 19時) (レス) id: 32509f2cb7 (このIDを非表示/違反報告)
魅月 桜花(プロフ) - 曼珠沙華さん» 実際、この小説であなた様に何かを伝えることができましたから。もし、何か聞いて欲しいことがあったらいつでもボードに来てくださいね。無理にではないですよ。ただ、私はこの小説であなた様を含めた読者様に話を聞いていただいてるので。 (2018年2月28日 16時) (レス) id: bb7045b574 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魅月 桜花 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/c1f02e14681/
作成日時:2018年1月22日 16時