人間のクズ。

無情に ページ16

【死ねるなら死にたいよ】


『…へぇ』



私の反応だ。
いや、へぇ。とも言わなかったかもしれない。


私だって死にたかったさ。


死ぬ勇気もないし、覚悟もない。




それでも他人が死にたいと嘆いたことに対する感情など一切なかった。

その時は。





昔、ネ友を作っていた。そいつはある日ボディステッチを始めたとか言い出した。

特に興味もない。所詮は他人。なんの気持ちもなかった。


でも私はこう言うんだ。


『えぇ⁈本当ですか⁈』

『痛くないんですか…？』




吐き気がする、とか言いつつ何も思わない。
だって、その反応が《普通》ってやつでしょ？



その人はついにリ スカの写真を送ってきた。



【痛そう。大変だな。かわいそう。何があったんだろう？】



【気持ち悪っ、いやいや、写メとか送ってくんなよ】






全然思わない。






『…』


【そうなんだ】それすら思わなかった気がする。







私もシャーペンで手首をガッと引いて血が滲んだ記憶があるが、


【私も辛かった。したくなる気持ちわかるよ】




んなわけねぇじゃん。





何も思わない、感じない。それでもまた



『痛くないんですか⁈』

『え、本当に痛いないんですか…？私は見てるだけで痛いですよ』




偽善者だって？知ってる。
でもこの反応が《普通》らしいと思っていたのだから仕方なかった。







【お前はなんか俺と似ている感じがするな〜】

ネ友の彼に言われたことだ。

この時は「へぇ」とは思えなかった。





ふざけるなよ。

貴方は私の何を知っている？私は貴方の何を知っている？

え？知る気？あるわけないでしょ。所詮は他人。貴方の苦しみはわからない。どうせ理解できないし理解する気もない。


私も理解してもらおうと思ってない。


あと、彼が私を自分に重ねてきたことにものすごく吐き気がした。



『○○は____に似てるね』

『○○は____ちゃんみたい！』

『○○！だから____みたいになれないのよ』





悪気はないのだと思う。
それでも私は酷く____に入る人物を恨み、私と____を比べた人物を憎んだ。





私は私で、貴方ではない。


そう言ってしまいたかった。それでも私は

『そうですか？まぁ、そうかもしれませんねw』なんて言葉をさらりと吐く。




クズだ。やはり私は最低で、クズで、悪で、
どうしようもなく底辺な人間らしい。

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