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「Aちゃん!」


呼ばれた方をみればわたしの隣に白井さんが座った。


「こうやって話すの久しぶり…というか初めてかな?」

『そうだね』

「わたしね、岸くんのこと大好きだったんだ」


なんで今ここでわざわざこんな話をするのか疑問に思った。

でもいつかこの話をする時がくるような気がしていた。



「Aちゃんの気持ちも岸くんの気持ちも分かってたのにズルしちゃったの。嘘もついたしわがままも言った。それはいけないことだったかもしれないけど、でもね?その嘘やわがままのおかげで岸くんとの楽しい思い出ができた」


何が言いたいんだろう。


「だからAちゃんも、もしわたしに気を使ったり何かあるんだとしてもAちゃんはAちゃんのことだけ考えればいいんだよ!ってわたし凄く偉そうだね(笑)」

『ううん……白井さんは凄いよ』




「おーーいA!ラスト!城で寝てるシーン!!」


茨の道を掻き分けてきたらしく疲れ果てたじんくんがわたしを呼びに来た。


「じゃあね、Aちゃん!ラスト頑張って!楽しみにしてる!」

『あ、白井さん……ありがとう』



白井さんはわたしに素敵な笑顔をくれた。

やっぱり白井さんには敵わないな。



「A、俺はAが大好きだ」

『わたしもじんくん大好きだよ』



その言葉を残して、わたしはAから姫になる。


ベッドに横たわり、目を瞑る。



再び舞台のカーテンが開きライトに照らされる。


コツンコツン、と王子が近付いてくる音がする。




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しおり(プロフ) - シンプルに序盤から泣きました。ありがとうございます。 (2020年8月17日 22時) (レス) id: 199b427b1e (このIDを非表示/違反報告)
ぴち(プロフ) - miniさんの書くこの4人が大好きです。miniさんの作品は、どれも読むたびにどんどん好きになります!素敵なお話をありがとうございます! (2018年12月30日 6時) (レス) id: 677cdd452a (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか - 初めまして。主人公に感情移入して苦しくなったり切なくなったり、泣いたり喜んだりしながら読みました。岸くんや神宮寺くんも崩すことなく書かれていて、おふたりのことお好きなんだなって思いました。少女漫画とか恋愛映画を超えてます!ありがとうございました! (2018年6月29日 1時) (レス) id: 71a68a5357 (このIDを非表示/違反報告)
えっ子(プロフ) - 初めまして。泣いたりニヤニヤしたりしてあっという間に読んでしまいました!もーすごいキュンキュンしました。じんくんの優しさや白井さんの健気な感じも素敵でした。岸くん&神宮寺くんのペアが好きなこともあり更にこの作品に出会えて良かったです。 (2018年5月28日 17時) (レス) id: 1c21d9c9a6 (このIDを非表示/違反報告)
涼歩(プロフ) - このお話を読めてとても良かったです。入り込んでしまって泣いてしまいました。こんな素敵な物語を読めて幸せです。ありがとうございました! (2017年4月15日 1時) (レス) id: 643ea9171f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mini | 作成日時:2016年5月12日 15時

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