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「おしゃれですね、よく来るなんて羨ましい」
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料理を注文し終わってから、
Aが感心したように言った。
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平野「はは、なんかありがとうございます」
今日、俺はふたつのことを聞こうと思ってる。
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最初はひとつの予定だったけど
手帳の中身を見てしまってからふたつに増えた。
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平野「神宮寺さんって、ご兄弟とかいたりします？」
「兄がいます」
ビンゴ。
平野「何個上なんですか？」
「えっとー、2つですね」
ビンゴ。
平野「お兄さんの名前とか、Aさんと似てたりするんですか？」
なるべく怪しまれないように。
自然な感じで。
「ええ？Aに似てるとか似てないとかあるんですか？
兄は勇ましいにのび太の太で勇太です。これって似てるんですか？」
平野「のび太の太って」
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自分の兄の名前の説明の仕方とは思えなくて、
思わず吹き出す。
「だってのび太の太以外に説明の仕方ありますか？
太いって言うのもなんか変」
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勇太。
間違いなく、Aのお兄さんの名前だ。
平野「お兄さんってここら辺に住んでるんですか？」
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出来れば会ってお兄さんに話を聞きたい。
Aの記憶が現実と違うことの理由を。
「近く…っちゃ近くですよ」
少し考えるようにして答えてくれたけど
さすがにこれ以上深堀りすると警戒される。
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取引先の会社の人間に自分の家族の住んでる場所なんて聞かないもんな普通。
自分で、探すしかない。
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作者名：ski | 作成日時：2020年3月26日 21時
