ヒーローは、アナタ。2【K.Y】 (ページ7)

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「Aちゃんに幻滅なんてするわけない」

優太くんはテーブルに置いてある紙ナプキンで鼻をかんだ。痛そう。痛そうというか絶対痛い。

優太くんは案の定鼻の下を人差し指で擦りながら
私を見てはっきりと話しかけた。

「自分に幻滅した。ズケズケデリカシーないこときいてごめん」

優太くんが自分に幻滅する必要なんてないのに。

「Aちゃん、今日は勉強やすもっか。違う店で話そ」

「え？違う店で？」

「ほらー。落ち着けないし」

なんていいながらもう立ってる優太くん。

「こらー！岸ー！落ち着けないって野次馬がいるからってことよね？」

恵子さんはもうそろそろシフトの時間は終わり。
ラストスパートの恵子さんは優太くんを睨んだ。

「さっせ、バレちゃいました？さっせ」

いつか見た時と同じように優太くんはペコペコ頭を下げた。

「ふーん、明日も平日なんだからほどほどにしときなさいよっ」

「わ！余計なこと言わないでくださいよ大澤さん！」

「大澤さん」は恵子さんの苗字。

恵子さんはたまーにお母さんみたい。
プライベートではお母さんだけど。