ヒーローは、アナタ。2【K.Y】 (ページ5)

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「あの…優太くん？」

「っえ！？わ、え！？」

「そんなに驚かなくても…」

「だって…」

手で涙を慌てて拭く優太くん。

やっぱりなにか廉が言ったのかな。

「廉が何か言ったんですか？」

「廉？」

「さっきの関西弁の」

「あ！永瀬くん？」

「…はい、永瀬廉」

なに話したんだろ…
周りをキョロキョロすると恵子さんがレジから出てきて私に寄ってきた。

恵子さんは、所謂「パートさん」みたいな感じで
旦那さんの収入+自分のパートの収入で
子供の将来や自分たちの老後のため、家のローンのために働いてるという。

まだ28歳なのに小さいお子さんが2人も居る。
すごく美人ですらっとしてて
ひっそりと私のあこがれ。

最近よく私はここに来てるから、
顔見知りになって話すようになった。

「私はしっかりとは聞いてなかったんだけど、なんかこう…Aちゃんの話？だったぽいけど」

「私の？」

「マネージャーをやってるホントの理由？みたいな？そのあとは全然聞けなかったんだけど…そうだったよね？岸くん」

聞き耳を立てていたけどちょうどいい所でお客さんに呼ばれたらしい恵子さんは優太くんに聞く。

「まあはい…そんな感じのことっすね、はい」

「お話聞きたいけどあんま立ち入ると嫌だと思うし、私は業務に戻りまーす。岸くんはちゃんとAちゃんに自分が泣いてる理由話すのよ？」