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「あいつとはもう話さへん方がええです」
あの後、永瀬くんはあの女の子(名前忘れた)「お前彼氏おるんちゃうん」ってすごい低い声で言って追い払った。女の子は少し鼻白んでたきがした。
そりゃ永瀬くんみたいな顔面国宝レベルの男子にあんな低い声で話しかけられたら俺だってなく。
「あいつひたすら面食いで」
永瀬くんは続ける。
「手当り次第言うかまあ手当り次第?告白するんです。やから平気で二股でも何股でもするし」
永瀬くんはため息をついてこう言った。
「次のターゲットは岸さんやと思ったんっす」
どうしても止めたかった。永瀬くんは
独り言よのようにそう言った。
「ごめん。ありがとう」
「いや、別に岸さんがあいつに堕ちるとは全然思わへんかったんですけど」
「でもありがとう、助かった」
「岸さん優しいから。断れへんかったらって思て」
優しい、なんて。
断れない、なんて。
「Aが泣いてる顔を見るのは嫌だったんです。ああいうのはバッサリ切ってください。Aの事だけを考えてください。折角ええこと言うてたのに岸さん」
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作者名:ski | 作成日時:2018年10月27日 15時