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「さっきの話の続きなんだけどさ」
「…はい」
秋の夜はやっばり少し寒い。
これからどんどん寒くなってくると考えると地獄。
優太くんが立ち止まる。
私も立ち止まる。
優太くんが私の方に体を向ける。
私も。
向き合う。
「俺でよかったら付き合ってください」
「…それはこっちのセリフです…」
「ええ！？ちょっとなんで泣いてるの！？」
「ちょ、声大きいです」
「あ、ごめん」
優太くんはもう一度ごめん、って言って私の涙拭いた。
そして私の事を抱きしめた。
「Aちゃん」
優太くんの顔は見えない。
「帰さなきゃいけないけど…あと1分だけ抱きしめさせて…」
なんで私、こんな幸せなんだろう
そう思った時また携帯が鳴った。
「…わ、ほんとすみません」
さっきより100倍いいムードだったのに。
「A？」
「お姉ちゃん」
「Aさ、いまどこいる？」
「えーえー」
まさか正直に言う訳に行かない。
「私今あんたにめっちゃ似てる子見かけたんだけど」
「は！？」
「バイトで辞めちゃう人がいてそれでお疲れ様会的なのを居酒屋でやって今その帰りなんだけどさ」
「うん？」
「歩いてたらほんっとにめっちゃ似てる子いたんだよ戻ろうかな」
「え？」
「あんたじゃないとは思うんだけどさー。男といたから…やっぱ気になる戻ってみるわ！」
「待って待って待ってってば！」
ツーツーツー。
携帯から聞こえるのはお姉ちゃんの声ではなく無機質な機械音。
「お姉ちゃん…ねえ、優太くん帰った方がいいかもしれないです」
「お姉さん？挨拶しないと」
「いやだめですって話は後でするので優太くんは帰ってくださいまた明日！」
「ええ…」
「お姉ちゃん優太くんの顔覚えてますよ絶対！」
「まっ、まじで！？挨拶する時は髪の毛黒にしてからじゃないとやばいか…」
「じゃあ私は帰ります！」
じゃーね！バイバイ！って申し訳なさそうにでも元気に手を振ってくれる優太くん。
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作者名：ski | 作成日時：2018年10月27日 15時
