月曜日21時のヒロインⅡ【R.S】 (ページ5)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:39,639 hit

51 ページ5

you

今までに無かったミスに落ち込んだ
撮影は終わり、帰る準備をする。

いつも以上に神経を尖らせ、
集中して撮ったTAKE2は
周りからかなり褒めてもらえた。

あれから作間くんはシーンが無く、
先に帰ってしまい、
私は残ったシーンの撮影に励んだ。

作間くんから抱き締められたシーンは、
何故か気持ちが入り込みすぎて、
自分が光になったような気持ちになって、
苦しくて、やるせなくて。

流そうと思っていた涙の倍以上、
涙が流れてしまった。
メイクさんには泣きすぎって
少し怒られたけど。

最近のマスカラはウォータープルーフが
優れててよかったよ、なんて言われて、
お化粧が崩れそうなほど泣いちゃったのか、
と、少し反省。

帰る準備をしながらそんなことを
考えていると、携帯が震えた。

『今日はこれで終わり？』

藤原さんからのメッセージが入る。
同じタイミングで終わっていたらしい。

終わり…だけど今は1人になりたい、

『このあと用事があって。
また今度誘ってください。』

用事なんてないけど、なんて思いつつ
送信ボタンをタップする。

『了解！また誘うね！』

『[スタンプ]』

了解、の文字と可愛い犬のスタンプが
返ってくる。

何となく、少し罪悪感を覚えつつ
私は帰りの支度を進めた。