月曜日21時のヒロインⅡ【R.S】 (ページ13)

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ryuto

翌日のサマステリハはフワフワしすぎて
立ち位置は間違えるわ、
フリは間違えるわ、
挙げ句の果てにはローラー曲なのに
ローラー履かないで出ようとした。

いかん…完っ全に舞い上がってる…

「作ちゃんらしくないよ、どうした？」

優斗だ。
やっぱり最年長だからか、
気付いて声をかけてくれるのは
いつも優斗だ。

ちょっと休憩しようか、と
優斗の一声で暫し休憩に入る。

はぁ、、、ほんっとに俺らしくない。

顔でも洗おうと、レッスン場を後にする。

.
.
.

バシャバシャと冷たい水で顔を洗い、
自分に喝を入れる。

「ふぅ、、、」

ため息を吐いたとき、上からタオルが降ってくる。

タオルが降ってきた方向を見上げると、

「瑞稀くん…。」

「作ちゃん、何があったか知らないけど。
作ちゃんがらしくないと、俺らも何か
フワフワしちゃって駄目だね～。」

Jr歴ではかなり先輩の瑞稀くん。
正直、怒られるかと思ったから拍子抜けする。

「と言うわけで、作ちゃん！
次集中してないともう甘いもの禁止令だから。」

ニヤリと笑い背中をバシッと叩かれる。

その痛みに、ヴッとなりつつ、
気持ちが切り替わる。

頼んだよ作間～！なんて言いながら
歩いてく瑞稀くんを追いかける。

「ありがとう、瑞稀くん。」

「なんだよ作間～！！」

照れ隠しなのか走っていってしまう。

かなり、救われた気がする。

自分の頬をバシッと叩き、
気合いを入れ、レッスン場へ戻る。

作ちゃんおせぇよ～！なんて声がする。

ごめんごめん！と謝り、
リハは再開した。

気持ちがだいぶ切り替わり、
失敗することもなくリハは進んでいく。

もう、夏はすぐそこだ。