木兎光太郎 ー 狂 ページ5
部活が忙しいから
その理由でなかなか会ってくれなかった光太郎。
でもどうしても寂しくて、ほかの男の子に相手をしてもらっていたら、それが本人の耳に届いてしまったみたいで。
(…なに、考えてるんだろ)
しょぼくれるでもなく、怒るでもなく
珍しく静かな光太郎は、真顔のまま真っすぐを見据えている。
『…光太郎、その。…ごめん、なさい』
服の裾をくい、と引っ張れば、光太郎はようやく私の方を見てくれた。
…けど。
「ごめんって?何に対して?」
『え、…その、…』
“ 浮気 ”
自分がやらかしたことなのに、その一言をどうしても言いたくなくて。
黙ったまま光太郎を見上げれば、光太郎は何かに気づいたように「あ」と短く声を上げた。
「Aさぁ、べつに俺怒ってないよ」
『え…?』
(…怒ってない?…って?)
あまりに予想外すぎる言葉。
いくら光太郎でも、こんなことしたんだから怒ると思ったのに…
そんな甘い考えも束の間、光太郎はゆっくりと口を開き___
「怒ってるっていうよりは、残念だなってほうが近い」
『っ…』
(…" 残念 "……)
正直、怒ってるって言われるよりもキツかった。
確かに、そう言われるくらいのことはしてるんだけど。
『っでも、光太郎全然構ってくれなかった』
__そうだとしても、私にだって言いたいことはある。
「そこは俺の落ち度だとは思うよ」
『私が寂しいの無理って知ってるでしょ。めんどくさいってわかってるけど、でも光太郎の邪魔したくなくて、だから…』
(待って、もう何言ってんの私。むちゃくちゃじゃん)
だからって浮気していいわけないのに。
わかっていたはずのことを今さら再確認して、自分の馬鹿さに心底呆れた。
(…たぶん、光太郎も呆れたよね)
そう思って、彼を見上げると___
「なぁA。
俺がお前のことめんどくさいとか邪魔とかって言ったことあった?」
キロリ、と鋭い瞳が私を捉える。
『…こうたろ、』
「俺の記憶ではない。あったなら悪いけど、でもさ」
その瞳から逃れられないでいると、あっという間に壁に追いやられてしまった。
「言ってもないことで悩んで他の男のとこに行ったっていうなら、それは何?
なんで俺のこと信じて待てなかったわけ」
珍しく低くて冷たい声色で、ようやく気づく。
(あ、まずいな。
めちゃくちゃ怒ってる)
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ん?……君は誰だね!?(プロフ) - 夢主ちゃんのくずっぷりが、、、 (2020年6月20日 18時) (レス) id: c7581e2406 (このIDを非表示/違反報告)
Rena(プロフ) - 白布くんと影山に捨てられたくなるような小説でした。応援してます (2020年5月2日 1時) (レス) id: cec64ef57b (このIDを非表示/違反報告)
白並あんず - リクエストで瀬見さんやってもらいたいです…白布と影山は精神えぐられました…及川さんの話がお気に入りだったりしますw (2019年9月29日 0時) (レス) id: 110026f8f9 (このIDを非表示/違反報告)
まりも。 - リクエストで茂庭さんお願い出来ますか…? (2019年8月27日 14時) (レス) id: 6023cd4d77 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのティッシュ - リクエストお願いします!研磨とあかーしって大丈夫ですか…?よろしければお願いします。あと、応援してます!更新ファイトです(^-^ゞ (2019年8月27日 5時) (レス) id: 9aa7f700a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:は お | 作成日時:2019年8月24日 10時