愛され方を忘れた少女【ツイステ】 (ページ9)

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「少々予定外のトラブルはありましたが入学式はこれにて閉会です。各寮長は新入生をつれて寮へ戻ってください」

学園長の一言に、寮長と言われた人達を筆頭に生徒達は鏡の間を出て行く。

「……ん？そういえば、ディアソムニア寮、寮長のドラコニアくんの姿が見えないようですが…」

どら……なんて？
でもなんか強そうな名前の響き！！！

「アイツがいないのはいつものことだろ？」

「あれ？もしかして誰も式のこと伝えてないのか？」

「そんなに言うならアンタが伝えてやればよかったじゃない」

「うーん。でもオレ、アイツのことあんま知らないんだよなー」

え、めっちゃハブられてますやん。不仲なの？どら…なんたらさんと不仲なの？？
というかさっきお尻焼けてた人だ。火消せたんだね、良かったねっ！

「ドラコニアって……まさか“あの”マレウス･ドラコニア？」

「この学校に通ってるってマジだったのかよ」

「こえぇ……」

どうやら生徒達の話を聞いていると、めっちゃおっかない人みたい。うーむ、噂だけで判断するのもどうかと思うけど、それだけすごい人なのかな？

「＿＿おお、やはり」

するとまたまた別の人が現れた。ちょっぴり声が低めの赤い目の人だ。

「もしやと思ってきてみたがマレウスは来ておらなんだが。“また”式典の知らせが届いてなかったとみえる」

「申しわけありません。決して仲間はずれにしたわけじゃないんですよ」

それ、仲間はずれした人が言うセリフナンバーワンですよね！？(私調べ)

「まあよい。ディアソムニア寮の者はわしに付いてくるがいい。あやつ、拗ねていなければいいが……」

再び列が動き出した。さっきまでその場に棒立ちの人が居たが、どうやらディア…なんたらの寮の人だったらしい。
その生徒達も続々と動き出し、この場に残ったのは私と学園長だけになった。

＿＿＿
＿＿
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「＿＿さて、ユウさん。大変残念なことですが……貴方には、この学園から出て行ってもらわねばなりません。魔法の力を持たない者をこの学園へ入学させるわけにはいかない」

「はあ…」

「心配はいりません。闇の鏡がすぐに故郷へ送り返してくれるでしょう。
さあ。扉の中へ。強く故郷のことを念じて……」

故郷、ね……。果たして孤児院(あそこ)は私の故郷と呼べるのかな……？
戻ってもどうせ、小さい子の面倒を見て、雑用して、嫌われての毎日。なんの面白味もない。

「さあ闇の鏡よ！この者をあるべき場所へ導きたまえ！」