遭遇パーソン！ ページ24
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学校へと続くメインストリートは、道の両側に七つの石像が置かれていた。
女性にライオンにタコ足の……オバサン？でもこの人達、みんなどこかで見たことあるような…。
そんなことを考えながら、たくさんの石像に目を奪われていた。
「昨日はよく見てなかったけど、この石像は誰だ？7つあるけど、なんかみんなコワイ顔。このおばちゃんなんか、特に偉そうなんだゾ」
「グリム、こういう石像の人は大体偉人だと古来から決まってるんだから、そういうことはメッ」
お辞儀をする女性を指さすグリムを軽く叱ると、後ろから誰かが声をかけてきた。
「ハートの女王を知らねーの？」
像を見ていた私達に声がかかった。振り向くと左目にハートのペイントをした、チェリー髪の少年。
「ハートの女王？偉い人なのか？」
「昔、薔薇の迷宮に住んでいた女王だよ。規律を重んじる厳格な人柄で、トランプ兵の行進も薔薇の花の色も一切乱れを許さない。
マッドな奴らばっかりの国なのに誰もが彼女には絶対服従。なんでかって？規則違反は即打ち首だったから！」
スラスラと言葉が出てくる少年。この石像の人のこと、よく知ってるみたい。
グリムのその話の内容が怖かったのか、ガタガタと震えている。
「こ、こえーんだゾ！」
「クールじゃん！オレは好き。だって、優しいだけの女王なんてみんな従わないだろ？」
「クールとは…？」
「確かに。リーダーは強いほうがいいんだゾ。っていうか、オマエは誰だ？」
そこでグリムが少年の名前を尋ねた。彼は笑みを浮かべて自己紹介する。
「オレはエース。今日からピカピカの1年生。どーぞヨロシク♪」
「オレ様がグリム！大魔法士になる予定の天才だゾ。コッチの冴えないのはユウ。オレ様の子分なんだゾ」
「あれ？私いつからグリムの子分に？？」
冴えないっていうのは……まあ、認めてやらんこともない。自分でもたまに思う。
エースと言った少年は私の方を見て不思議そうな顔をする。
「ユウ？珍しい響きの名前だな」
「うん、よろしく」
「おう。……つか、お前そんなフード深く被って、前とか見えんの？こっちからは全然だけど」
「あはは、ちょっと事情があって……あんまり詮索しないでもらえると嬉しい」
「ん、了解」
本当に詮索しないでいてくれた……！
あれ、もしかしてエースくん…良い子なの？？？
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作者名：紅葉 | 作成日時：2022年5月11日 22時
