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在りし恋の ページ29

___私と“彼女”との出会いは、彼女が泣き崩れていた桜の木の下だった。




「そんな所で泣かれても困る、何故…君は泣いるんだ?」

「えっ?あ、あなたはっ…?」




異様と言われた自分をひたすら押し殺し、息の詰まる日々を送っていた彼女は、目に涙を溜めながら私を見上げていた。


「それはともかく、その髪、綺麗で可愛らしい色をしているじゃないか」

「…え?ほ、ほんと…?」


気味が悪いと言われていた髪を、両親以外に「好き」だと言ってくれたのは初めてだと、彼女は更に泣き出した。


きっと…自分の外見や体質で、周囲の目や言葉に苦しみながら過ごす日々を送っていたのだろう。


そうだとしたら、その男共には見る目が無いのではないのだろうか…と私は思った。


「君さえ良ければの話だけど……君のその力、鬼殺隊で使う気はない?」

「えっ…私が鬼殺隊に…?」


顔を上げた彼女の顔は、一瞬驚きに満ちて、それから考え込むように少し伏せられた。


色々と考えることはあるだろう………けれど、きっと彼女は了承すると信じて、黙って待つ。


誰にも認められないで、でも誰かに認めて欲しかった自分のこと……きっと、鬼殺隊なら認めてくれる。


「は、はい、分かりました……あの、私鬼殺隊に入りたいです…!」

「喜んで迎えるよ、きっと。私の名前は桜子。君の名前は?」




「み、蜜璃___甘露寺蜜璃です!」




出会いはただ、見合いを受け悩み苦しんでいた彼女に、偶然見かけて声を掛けただけだった。


「__。彼女は新しい隊士だ、良ければ君の方で面倒を見てやってくれないかな」


彼女の内に秘められていた、燃えるような情熱を見込んで、彼女の師範を受け入れた__は熱心に指導を施した。




そして、数年の時が過ぎた後に、一人前に強くなった彼女に、


柱への昇格の話が持ち上がり、当時の柱の誰もが喜んで彼女を受け入れた。拒む人はいなかった。




「自分の型が決まらないのなら、君に例えるといい……そうだな、“恋の呼吸”はどうだろう?」


微妙に違う剣筋が理由で__の元を離れ、柱になったものの自信が持てなかった彼女は、私の一言で目覚めたように前向きになった。




「私、鬼殺隊に入れて……本当に本当に良かったです」




成長していく彼女を、私は一人の友人として、上官として見守った。




「___愛した人を鬼として亡くしてしまった桜子さんにも、いつか救いがありますように」

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楓音(プロフ) - 作品とても楽しく読ませて頂いています!初の登場時からずっと気になっていたのですが、「炭治郎」を「炭次郎」と書き間違えていたのが気になってご報告させて頂きました💦ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません💦 (2022年3月22日 18時) (レス) @page6 id: 5a612b3e43 (このIDを非表示/違反報告)
むい推しの人 - 初コメです〜。一つ気になったことがありまして…。「連れていく」で登場した夢主ちゃんの服のことです。膝上の短い袴ってどんなやつですか?変に細かいところ気になってしまいました…すみません。長文コメ失礼しました! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 00103e9837 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 初コメ失礼します。無惨の名を言うと殺されるという呪いは発動しないのですか?無惨に限って例外はないような気がするので。今後の展開が気になります!更新頑張ってください! (2019年9月3日 21時) (レス) id: 0b2ef933c6 (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 14ページ目、悲鳴島ではなく悲鳴嶼だと思います.......物語は面白いので、更新頑張ってください! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オチを宇髄さんに一票! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年8月22日 20時

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