お部屋ヒロ ページ15
「ここが桜子様のお部屋でございます」
屋敷の廊下を暫く歩いて、裏庭……らしい場所に面した廊下の、真ん中辺りの部屋。
案内係の白髪のおかっぱの子が襖を開くと、学校の教室くらいの広さだった。
……いやヒロ。ここが自室だとしたら、これ以上ない天国なんだけど……？
外から中を覗いてみると、元々どんな部屋だったのかは分からないが、割と……
「……なんか、色々と物があるね…？」
布団に鏡台に箪笥に……一人暮らしの多趣味な成人、のような部屋造りだ。
え……？元々空き部屋じゃなくて、誰かの部屋だったとか…？
それとも私用に急遽用意したものだとしたら、準備凄くない…？
えマジで……正面には本棚並んでるし、左側にはタンスやら鏡台やら鼓やらあるし、
右側に至っては玩具や絵画なんだけど、え、そこだけ何歳児？？
「この部屋は元々ある柱が利用していましたが長年手付かずのまま、掃除だけされて残されています」
ふと、聞かれてもいないのにそう言った案内係ちゃん……
アレ？左に髪飾り付けてるのはにちかちゃんとひなきちゃんどっちだっけ…！？！
「そ、そうなの…？その柱の人は……」
「今も消息不明……ですが…」
聞いてみるとそう答えが返ってきたが……後ろを伸ばして、言葉が途中で切れた。
私が不思議に思って首を傾げると、変わらない無表情のまま、
「使用許可は出ています。どうぞ、ご自由にお使い下さい」
……と、淡々とそう告げて、一礼して来た道を引き返した。
えっ帰るの！？案内だけなんだ本当に……いや、あぁ見えて忙しいのかもしれない。
確かあの子はそのうち人間爆弾になっちゃう片割れだと思うけど、それでも凄い家に染まりきってる子だなぁ……
「ありがとう、案内してくれて」
まだ小さいのに、とその背中を見て遠慮がちにそう言う………と、
数歩歩いて突然立ち止まったなんとかちゃん。
振り返って、後ろ姿を見つめていた私と目が合った。
…まさか振り返るとは思っていなかったので、内心ギクッとするも__
「…いえ。失礼します」
律儀に礼をして、踵を返してまたスタスタと歩いて行った。
「………………」
は？？ただの良い子、可愛子ちゃんじゃん。
もうこれからなんとかちゃん推しになろうかな。名前どっちか分からないけど。
そんなことを思いながら、誰もいない屋敷の端でそっと息を吐いて、自室となる畳の部屋へ足を踏み入れた。
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楓音(プロフ) - 作品とても楽しく読ませて頂いています！初の登場時からずっと気になっていたのですが、「炭治郎」を「炭次郎」と書き間違えていたのが気になってご報告させて頂きました💦ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません💦 (2022年3月22日 18時) (
レス) @page6 id: 5a612b3e43 (このIDを非表示/違反報告)
むい推しの人 - 初コメです〜。一つ気になったことがありまして…。「連れていく」で登場した夢主ちゃんの服のことです。膝上の短い袴ってどんなやつですか？変に細かいところ気になってしまいました…すみません。長文コメ失礼しました！ (2019年9月22日 14時) (レス) id: 00103e9837 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 初コメ失礼します。無惨の名を言うと殺されるという呪いは発動しないのですか？無惨に限って例外はないような気がするので。今後の展開が気になります！更新頑張ってください！ (2019年9月3日 21時) (レス) id: 0b2ef933c6 (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 14ページ目、悲鳴島ではなく悲鳴嶼だと思います.......物語は面白いので、更新頑張ってください！ (2019年8月30日 2時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - オチを宇髄さんに一票！ (2019年8月27日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れんり@3回目 | 作成日時：2019年8月22日 20時
