【佐久早聖臣】この病の名前は恋ではない

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私の返事は言わずもがな。





A「…嫌です」

佐久早「なんで」

A「関わりたくないです…」

佐久早「意外とはっきり言うね、あんた」





ここはしっかり意思表明しないと、後々面倒なことになると察した私ははっきりNOと言う。

…まぁ、そんなんで引いてくれるはずもなく。





佐久早「フリだから問題ないでしょ」

A「何故私なのかと、なんの得があるのか教えてください」

佐久早「生理的にあんた以外ムリ」

A「はい…？」

佐久早「俺、汚いの嫌いなんだよね」

A「はぁ…」

佐久早「俺に興味ないし」

A「微塵も…」

佐久早「だから」

A「なるほど、わかりません」

佐久早「得はない」

A「あ、はい」





一応理由があるっぽいが、説得にはまるでなっておらず…





A「というか、具体的に何が生理的に無理なんです…？貴方ならいくらでも女子が寄ってくるじゃないですか…」

佐久早「ああ、一応知ってるんだね」

A「そりゃあ…まぁ…」

佐久早「あんた、ちまちま手洗ってるし、その辺の女子より綺麗そうだから」

A「合格条件、あまりにも特殊過ぎません…！？てか、それで私選ばれたんですか…」

佐久早「うん」





それに肩を落とす私。

なんだそりゃ…女子に黄色い声で声かけられたり、噂やらされてるのにこの人中身ヤバい人では…

というか、なんで私はこんなのに絡まれてるんでしょうか…





A「お断りします、では…」

佐久早「…どうしても？」

A「…そもそもそんなフリせずとも、ちゃんと断れば済む話ですよね？」

佐久早「…それで済んでたら、あんたに頼んでないよ」

A「…？ どういう…」

佐久早「…女子に告白されて断ったんだけど、「諦めないから！」って言われたんだよねぇ…」

A「お断りします」

佐久早「おい、待て」





酷く面倒くさそうな話が出たので、話を無理やり切り上げて踵を返すことに。



それ、絶対恨まれるやつじゃん…？

タダで恨みを買ってくれ、と頼んでるようなものじゃないですか。冗談じゃない。



＊

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