4話 ページ5
「あれ、研磨さん一緒じゃないんすか!!」
『開口一番がそれかい』
休み時間、研磨に辞書を返そうと廊下に出ると、身長がデカい後輩が話しかけてきた。さり気なくニコイチ扱いなのは気付かないフリをしておく。
『で、研磨がどうかしたの?』
「黒尾さんが伝言あるらしいので、移動教室のついでにと思って!」
今時伝言て。聞くところによると、あのトサカは本日スマホを所持していないのだそう。現代っ子にあるまじきミスだな。
『あー…
じゃあ私から言っとく、多分教室居るし』
チラ、と研磨のクラスの方を見る。リエーフが行くのも構わないが、いかんせん恵まれた身長と容姿で絶対的に目立つので研磨が嫌がるだろう。ここは私が行くのが得策だ。
「ありがとうございます!!」
『おっけぃ、授業寝るなよ〜。』
善処します!と手を振りながら、最近エアコン完備となった音楽室へ去っていくリエーフ。最初から最後までやはり目立っていた。
別に無邪気なだけで、悪い子ではないんだよなぁ。ちょっとお馬k…頭は弱いけども。
まぁ、その悪気のなさ故に結構な頻度で夜っくんのコンプレックスゴリゴリに削ってるし。
カラカラと軽やかな音がする教室ドアを開け、廊下側に座っている研磨に電子辞書を返す。廊下より涼しい。一生ここにいたい。
『研磨ー、辞書あんがと。あとクロが伝言あるってさ』
「なんて言ってたの?」
『…あっ』
…伝言、聞くの忘れてた。
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ねぎ - Rioさん» コメントありがとうございます!嬉しいです、励みになります〜!! (2022年9月27日 23時) (レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 今晩、凄く素敵な小説を見てびっくりしました!更新、楽しみにしてます!(/^_^) ( 初対面なのにゴメンナサイ!) (2022年9月24日 19時) (レス) @page16 id: 9824f121c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねぎ+ | 作成日時:2022年7月7日 21時